チョークを戻すとバイクのエンジンが止まってしまう
このような症状にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、
- 冬場のエンジン始動に役立つ「チョーク」について
- キャブレターやチョークの役割
- チョークを戻すとバイクのエンジンが止まるのは空燃比に問題がある可能性が高いことについて
- 長期間乗っていない場合は燃料の劣化も疑わしい
- チョークを戻すとエンジンが止まってしまう症状への対処方法
- キャブレターの清掃方法
- キャブレター清掃のポイント
- キャブレターが詰まらないようにするための予防策
- キャブレターを清掃しても症状が治らないようであればバイクショップへの相談がおすすめ
などについて解説をしています。
チョークを戻すとバイクのエンジンが止まってしまう症状にお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
冬場のエンジン始動に役立つ「チョーク」
冬場、エンジンがかかりにくい状況下で役に立つ「チョーク」ですが、よくわからないままとりあえずチョークを引いてエンジンをかけているという方も多いのではないでしょうか。
次の章では、キャブレターや、チョークの役割について説明をします。
キャブレターやチョークの役割
キャブレターは、ガソリンを霧状にして空気と混ぜて混合気を作りエンジンに送り込む、燃料供給装置です。
チョークとはキャブレター車についている機構の一つで、一時的に燃料を濃くする機構です。
チョークを引くことで、混合気のガソリンを濃くし、エンジンが始動しやすくなる状況を作ります。主に使用するのは冬場です。
チョークの種類によっては、空気の通り道を狭くするものもありますが、燃料を濃くするタイプのチョークが主流で出回っています。
チョークを戻すとバイクのエンジンが止まるのは空燃比が燃焼範囲外になっている可能性が高い
チョークを戻すとバイクのエンジンが止まるのは、空燃比が燃焼範囲外になっている可能性が高いです。
空燃比が濃すぎても、薄すぎても、エンジンは止まってしまいます。
上記の症状の原因としてよくあるケースを3つご紹介します。
- チョークを引いている時間が長すぎると空燃比が濃すぎてプラグが失火する
- キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっていると空燃比が薄くてエンストする
- どこからか余計なエアを吸って空燃比が薄くなっているとエンストする
チョークを引いている時間が長すぎると空燃比が濃すぎてプラグが失火する
チョークを引いている時間が長すぎると、ガソリンが濃すぎてプラグがかぶってしまい、失火をしてしまいます。
冬場のチョークの使い方は、エンジン始動の際にひき、エンジンがかかったらゆっくりと戻していく、という方法です。
稀に、エンジンがかかった後もそのままチョークを引いたままにしている人がいます。
そのような使用方法をしていると「チョークを戻すとエンジンが止まってしまう」という症状が出てしまうことがあります。
キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっていると空燃比が薄くてエンストする
キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっていると空燃比が薄くてエンストをしてしまいます。
バイクのチョークを戻すとエンジンが止まってしまう症状の中で、最も多いのがキャブレターの詰まりです。
メインジェットやスロージェットの穴はとても小さいため、長期間清掃をせずに使用したり、長期間放置していると、すぐに詰まってしまいます。
清掃によって改善する場合もありますが、明らかに詰まっている場合はジェットを交換したほうが懸命です。
どこかから余計なエアを吸って空燃比が薄くなっているとエンストする
どこかから余計なエア(空気)を吸って、空燃比が薄くなっていると、エンストをしてしまいます。
チョークを引いてどうにかエンジンがかかっても、どこかからのエア吸いがあると、必然的に空燃比が薄くなってしまうため、チョークを戻した時にエンストをしてしまいます。
自分で何か整備をして組み上がった後にこの症状がで始めたのであれば、何かが外れている可能性があるため、触ったところを全て再確認するようにしましょう。
長期間乗っていないことによるガソリンの劣化が原因なことも多い
長期間乗っていない場合は、ガソリンの劣化が原因なこともあります。
ガソリンは、永久に使えるわけではありません。
長期間放置をしていると、腐敗します。
腐って、ヘドロのようなガム状のものが発生していたり、結露によってできた水が混ざってしまっていたり、劣悪なガソリンで始動をすると、エンジンは正常に動くことができずエンストしてしまいます。
長期間放置後に乗り始めるのであれば、劣化したガソリンではなく、新鮮なガソリンを使用するようにしましょう。
チョークを戻すとバイクのエンジンが止まってしまう症状への対処方法
チョークを戻すとバイクのエンジンが止まってしまう症状への対処方法を4つのケースに分けてご紹介します。
- チョークを引いている時間が長すぎるのが原因の場合
- キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっている場合
- 余計なエア吸いが原因の場合
- ガソリンの劣化が原因の場合
チョークを引いている時間が長すぎるのが原因の場合
チョークを引いている時間が長すぎるのが原因の場合は、長く引きすぎないように、エンジンがかかったらゆっくりと戻すようにすることで現象は改善します。
急に戻すと、急な空燃比の変化についていけずエンストしてしまうことがあるため、あくまでもゆっくりと戻すことがポイントです。
キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっている場合
キャブレターのメインジェットやスロージェットが詰まっている場合は、キャブレターの清掃をすることで現象は改善します。
メインジェットとスロージェットの穴はとても小さいため、清掃で詰まりが取りきれないこともあります。
その場合は、メインジェットとスロージェットの交換が必要です。
余計なエア吸いが原因の場合
余計なエア吸いが原因の場合は、どこか外れている部品がないか、裂けている部品がないかを確認をする必要があります。
どこからエアを吸っているのか見つけるのが難しい場合は、バイクショップに依頼をするのがおすすめです。
ガソリンの劣化が原因の場合
ガソリンの劣化が原因の場合は、ガソリンを抜いて清掃をするなど、さまざまな整備が必要です。
ガソリンが劣化してガム化していると、タンク内が錆びていたり、キャブレターも詰まっていることが多いので、タンクを交換したり、キャブレターのオーバーホールをする必要があります。
自分で行うのが難しい場合は、バイクショップに依頼をするようにしましょう。
キャブレターの清掃方法
キャブレターを清掃する方法を解説します。
- キャブレターをバイクから取り外す
- フロートチャンバーに溜まっているガソリンを捨てて清掃する
- キャブレターを分解し、清掃する
- メインジェットとスロージェットの詰まりを確認し、詰まっていたら部品を交換する
- 清掃や交換作業が終わったらキャブレターを組む
- キャブレターをバイクに取り付ける
キャブレターをバイクから取り外す
まずは、キャブレターをバイクから取り外します。
バイクの種類によって取り外し方は異なるため、整備要領書を確認しながら取り外すことをおすすめします。
フロートチャンバーに溜まっているガソリンを捨てて清掃する
次に、取り外したキャブレターのフロートチャンバーに溜まっているガソリンを捨てて、キャブレタークリーナーで清掃をします。
キャブレターを分解し、清掃する
次に、キャブレターを分解し、各部キャブレタークリーナーで清掃をします。
清掃には、必ずキャブレタークリーナーを使用しましょう。
メインジェットとスロージェットの詰まりを確認し、詰まっていたら部品を交換する
次に、メインジェットとスロージェットの詰まりを確認します。
ジェットの穴はとても小さいため、詰まりが取りきれないと判断したら潔く交換しましょう。
清掃や交換作業が終わったらキャブレターを組む
分解したキャブレターの清掃や、メインジェット・スロージェットの交換作業が終わったら、キャブレターを組みます。
キャブレターをバイクに取り付ける
最後に、組み立てたキャブレターをバイクに取り付けます。
取り付け確認をして、作業は終了です。
キャブレター清掃のポイント
キャブレター清掃のポイントを2つご紹介します。
- キャブレターの清掃は必ずキャブクリーナーを使用すること
- ジェットやオーリングが入ったオーバーホールキットの使用がおすすめ
キャブレターの清掃は必ずキャブクリーナーを使用すること
キャブレターの清掃は、必ずキャブクリーナーを使用しましょう。
バイク各部に使用できるパーツクリーナーとは、特徴が異なります。
キャブクリーナーは、ガソリンが劣化してできたガム状の固形物なども溶かすことができます。
キャブクリーナーは、ガソリン汚れを落とすことに特化しているため、キャブレターの清掃には必ず専用のクリーナーを用意しましょう。
ジェットやオーリングが入ったオーバーホールキットがおすすめ
キャブレターの清掃をする際には、ジェットやオーリングが入ったオーバーホールキットを準備しておくのがおすすめです。
しばらくパッキンなどを変えてない場合は、清掃と同時にオーバーホールをすることで、後日改めて作業をする必要がなくなるので二度手間にならずに済みます。
予めオーバーホールキットを準備しておけば、ジェットの詰まりを発見した場合にも、すぐに交換をすることができます。
キャブレターが詰まらないようにする予防策は定期的に乗ること
キャブレターが詰まらないようにする予防策は、定期的にバイクに乗ることです。
定期的にバイクに乗っていれば、燃料が定期的に流れるため、キャブレターの詰まりは起こりにくくなります。
キャブレターの詰まりは、ほとんどが燃料の劣化によるものです。
長期間放置されたことによりガム状になってしまったガソリンや、タンク内の錆の一部が詰まって、始動不良やエンストなどのエンジントラブルを引き起こします。
キャブレターを詰まらせないようにしたいのであれば、定期的にバイクに乗るようにしましょう。
キャブレターを清掃してもなおらなければバイクショップに相談してみよう
キャブレターを清掃しても、エンジン不調のトラブルが治らないようであれば、バイクショップに相談をしてみましょう。
バイクはさまざまな部品で構成されています。
混合気を作るための燃料系、吸気系に不具合があるのか、点火系に不具合があるのかは、プロにみてもらうのが一番です。
自分一人でみているよりも、より専門的な視点で診断をしてもらえるため、バイクショップで一度点検してもらうことをおすすめします。
まとめ:キャブレターは定期的に清掃をしよう
今回は、チョークを戻すとエンジンが止まってしまう症状について、解説をしました。
空気と燃料からなる混合気と、点火がポイントだということがわかりました。
また、年数が経ったバイクや、長期間放置されていたバイクは、キャブレターが詰まっている可能性もあります。
キャブレターは、年に一、二回定期的に清掃をするのがおすすめです。
悩んでいる症状を改善して、楽しいバイク生活をおくりましょう。