排気量が250ccを超えるバイクには車検制度が適用されます。
車検の際に交付される車検証には、あなたのバイクの型式や排気量、原動機の型式などが記載されています。
それと併せてあなた自身の情報、すなわちあなたの住所・氏名なども記載されています。
したがって、引っ越しなどで住所が変わったときには、市役所で住民票の登録を変更するように、運輸支局でバイクの登録住所も変更する必要があります。
いざバイクの住所変更が必要となったときに慌てないために、バイクの登録住所の変更についてご説明させていただいた上で、よくご質問をいただく、バイクが車検切れとなったしまった状態での住所変更についてお話したいと思います。
バイクの登録住所と現住所は一致していないといけない?
上で述べましたように、バイクを所有した状態で引っ越しなどをすると、車検証に登録された住所と現住所にズレが生じます。
常識的に考えると、新しい住所に住所変更するに越したことはないのでしょうが、住所変更する義務はあるのでしょうか。
義務があるかないかで言うと、あります。
第十二条 自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。
e-Gov/道路運送車両法
という具合に、道路運送車両法という法律で、住所が変わった日から15日以内に車検証の登録住所も変更しないといけないことになっています。
バイクの住所変更をしないと罰則はあるの?
バイクの住所変更の義務は道路運送車両法第十二条において定められていることをさきほど確認しました。
では、その規定を破って変更登録の申請をしなかった場合、罰則はあるのでしょうか。
その答えは、イエス、罰則はあります。
道路運送車両法第百九条第二項によると、同法第一二条第一項(上の引用)の規定による申請を行わなかったり、虚偽の申請をしたりすると、50万円以下の罰金に処せられることになっています。
現実的には、車検証の住所変更を怠ったからといって、罰金刑になったという話は聞いたことがありませんが、罰則規定まできっちり定められているからには、ちゃんと住所変更をしておくに越したことはないでしょう。
バイクの住所変更をしないと不利益はあるの?
バイクの住所変更を怠ると、罰金刑になる可能性(あくまで可能性ですが)があることがわかりました。
では、バイクの住所変更をしない場合、それ以外の不利益はないのでしょうか。
実は道路運送車両法による罰金よりも、現実的で考慮すべき不利益が存在します。
それは、軽自動車税の納税通知書が届かなくなるということです。
軽自動車税の納税通知書は、車検証の登録住所あてに送付されますので、車検証の住所変更をしないと、納税通知書が旧住所に届いてしまうことになります。
郵便局に転送届を提出しておけば、新住所まで届けてくれますが、転送届の有効期間は一年間ですから、二年目からは宛所に届かないという扱いで、返送されてしまいます。
その結果、知らないうちに税金を滞納してしまったり、最悪のケースとしては、資産の差し押さえなどもないとは言い切れません。
そんなことにならないためにも、やはりバイクの住所変更はしておいたほうが良いでしょう。
バイクの住所変更にまつわる立ち回り
では、実際に引っ越しをしたけれど、しばらくは運輸支局にバイクの住所変更の申請に行けそうにないという場合、どうすればよいのでしょうか。
とりあえずは、郵便局に転送届けを出しておきましょう。
これで、少なくとも次回の軽自動車税納付通知書は転送されてきます。
転送届はどこの郵便局でも提出することができますし、インターネットで転送届を出すこともできます。
そうすることで、運輸支局での住所変更のタイムリミットを短くても12ヶ月、長ければ24ヶ月程度確保できるので、なんとかその期間に時間を都合して申請に行く、というのが現実的な立ち回りかと思います。
ただし、長期の計画になる可能性が高いので、うっかり忘れて結局税金を延滞してしまったなんてことにならないように、くれぐれもご注意ください。
車検が切れていても住所変更は可能?
さて、バイクの住所変更の必要性と、それにまつわる立ち回りを見てきましたが、ところで、バイクの車検が切れている場合は、住所変更は可能なのでしょうか?
答えは、可能です。
車検証と新たな住所の住民票(取得3ヶ月以内のもの)と認印を運輸支局に持参し、窓口に用意されている必要書類を作成して申請すれば、住所変更は完了です。
したがって、運輸支局にバイクの住所変更を申請する前に、必然的に市町村役場で住民登録を行うことになります。
ちなみに、ナンバープレートの管轄が変わる場合は、ナンバープレートも変更しなければいけませんので、バイクから外して、書類と一緒に運輸支局に持参することになります。
住所変更をするバイクに乗って運輸支局に行く場合は、ナンバープレートを外すためのレンチ類をお忘れなく。
まとめ
ここまでの内容をまとめますと、以下のようになります。
- バイクの住所変更は道路運送車両法で定められた義務である
- バイクの住所変更を怠ると50万円以下の罰金が科せられることに(いちおう)なっている
- 軽自動車税納付通知が届かないのが本当の問題
- とりあえず郵便局の転送届で猶予期間を作ろう
- バイクの車検が切れていても住所変更は可能
バイクの住所変更は、名義変更に比べて放置される傾向がありますが、申請を怠るとそれなりのデメリットが発生するので、ご注意ください。
この記事が皆様の快適なバイクライフのために少しでもお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。