バイク車検に通るためのマフラー音量対策と注意点

うるさい世間の声に耳を塞ぐ女性

バイクをカスタムする際にまっさきに手を付けるのがマフラーという方も多いのではないでしょうか。

バイクの奏でるエキゾーストノートを聞きたいがためにバイクに乗ると言っても過言ではないでしょう。

しかし、マフラーを社外品に換装して心配になるのが車検のことです。

ちょっと音が大きくなったけどとか、JMCA対応じゃないけどとか、どの程度の音まで大丈夫なのとか、いろいろと車検とマフラーについてのご質問をされることがあります。

そこで、今回はバイクのマフラーと車検についてお話させていただきたいと思います。

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バイクが車検に通るためのマフラーの基準とは?

まずなんといっても気になるのが、バイクのマフラーが車検に通るための基準です。

騒音に関しては、かつては排気量毎に〇〇デシベル以上はアウト、と一律に定められていたのですが、平成28年の法改正によって、現在は車種別に基準が定められています。

バイクが新車発売されるときにメーカーが試験を受けて、その際に定められた音量が基準となります。

リプレイスマフラーに交換する際も、その車種の基準値を超えればアウト、ということです。

ですから、皆さんがお持ちのバイクの騒音基準値がいくらなのか、メーカーサイトやショップで確認しておく必要があります。

たとえば、カワサキのバイクならば公式ホームページからサービスデータを検索することができ、Ninja1000ですと、近接排気音で94デシベルということがわかります。

Ninja1000サービスデータ参照

ちなみに、平成28年の法改正以前に製造されたバイクは、何度かあった規制毎に騒音規制が定められておりましたが、ざっくり言わせていただくと、94デシベル以下なら概ね大丈夫でしょう。

なお、この94デシベルという音量は、近接排気騒音法(マフラー排気口から後ろ斜め45度、距離50cmの位置で測定する方法)という測定方法での音量となります。

バイクの車検、マフラーにバッフルをつければOK?

バイクの出す騒音を抑えるためにバッフルという便利なものがあります。

マフラーの先端や中に装着することで排気音を小さくすることができるのです。

大体のバッフルがボルトオンで簡単に脱着できるので、バッフルをつけて車検を通過させ、またバッフルを取り外して走行するということをやっている方もいるようです。

しかし、これでは車検で騒音測定をする意味がないということで、2010年4月規制で、脱着式バッフルの装着が禁止されました。

とはいえ、この規制で禁止されたのは、あくまで『脱着式』バッフルなので、バッフルを溶接したり、リベットで留めたりして、容易に脱託できない状態にしておけば問題有りません。

バイクの車検、マフラーに詰め物でOK?

バイクのマフラーに詰め物をして排気音を小さくするという古典的な方法があります。

エキパイ部分にスチールウールなどを詰め込んで、排気のヌケを悪くすることで、排気音を抑えるわけですね。

これでいくらか排気音が小さくなることは確かなのですが、なんといっても古典的な手法なので、検査官もある程度疑ってかかります。

検査官によっては、マフラーに棒状のものを突っ込んで、詰め物をしていないかチェックする人もいるようです。

それで詰め物をしていることがバレてしまえば、その日に車検を通すことはほぼ不可能でしょう(光軸などならちょっと修正して当日中に再検査ということもできますが)。

したがって、バイクのマフラーに詰め物をして排気音を抑えられるかと聞かれれば、答えはイエスですが、車検に通るかと聞かれれば、おすすめしないというのが回答になりますね。

バイクの車検、マフラーはJMCA認定しか通らない?

JMCAとは全国二輪車用品連合会のことで、バイクのアフターマーケットを健全に運営していくことで二輪業界を盛り上げていこうという団体です。

JMCAは公的機関による試験を受け、法規制よりも厳しい基準をクリアしたマフラーに『JMCAプレート』を貼付し、車検対応のマフラーであることを示しています。

したがって、JMCAプレートがついていれば、そのマフラーで車検に通ることは間違いありません(経年劣化や損傷などで不具合が生じていなければ、の話ですが)。

では逆に、JMCAプレートがついていないマフラーは車検に通らないのかといえば、そういうわけでは有りません。

JMCAはあくまで民間団体であり、その認定がバイクを車検に通す要件というわけではないのです。

仮にJMCAプレートがついていなくても、検査で騒音や排気ガスが基準値以内に収まっているならば車検に通ります。

しかし、結局のところは車検場で検査を受けてみなければ、バイクについているマフラーが何デシベルの排気音を出すのか分からないのが現実です(計測器を自分で所有している人がどれだけいるというのだろう!)。

そのことを考慮すると、バイクの車検に望む際は素直にノーマルのマフラーにもどすか、あるいはJMCAプレートのついたマフラーを選んでおくことをおすすめします。

バイクの旧車はどんなマフラーでも車検OK?

バイクの旧車には騒音規制がないという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

かつては騒音規制というもの自体がなく、いちおう1971年から規制が始まったのですが、実質的にはその規制はあまり機能しておらず、1986年騒音規制からが本格的な騒音規制となっています。

ですから、1985年までに型式認定を受けたバイクは騒音規制の対象となっていないので、極論すればどれだけ音が大きくても良いということになります。

とはいえ、これみよがしにうるさいバイクが車検に来れば検査官も何らかの対応を検討するかもしれませんので、極端にうるさくなければ大丈夫という程度に捉えておくのが良いでしょう。

バイクのマフラーは排出ガスにも要注意

バイクのマフラーについて考慮するべきは音量だけでは有りません。

もうひとつ、クリアしなければいけない規制が二輪車排出ガス規制です。

平成11年二輪車排出ガス規制により、新型型式登録車ならば1998年10月1日以降に生産されたバイク、同一型式継続生産車ならば1999年9月1日以降に生産されたバイクが規制の対象となります。

この規制により、新車出荷時にマフラーに触媒が設置されているバイクは基本的にマフラーのリプレイスが禁止されました。

これに対し、jmcaは公的機関による証明を受けた騒音、排気ガスに関する数値を用いてリプレイスマフラーの認定を行い、公道使用可能なマフラーが販売されていました。

それ以降も新たな規制がありましたが、平成24年25年排ガス試験方法の変更により、平成24年10月1日以降に型式認定を受けたバイクは、その触媒装置を変更したときには、車検の際にWMTCモード排ガス試験成績書(いわゆるガスレポ)の提示が必要となりました。

これまでの規制ですと、車検対応のマフラーを使用していれば車検に通っていたのですが、この新たな規制により、装着しているマフラーが車検対応のものであっても、ガスレポが必要になったということです。

ガスレポは車検対応のマフラーを購入すると付属しており、紛失してしまった場合は、再発行できます。

対象のバイクをお持ちで、触媒装置を変更している方は車検の際にガスレポの持参をお忘れなきよう、ご注意ください。

まとめ

今回はバイクの車検とマフラーの関係についてご説明してきましたが、ここまでの内容をまとめますと、以下のようになります。

  • バイクのマフラーが車検に通るための基準は車種毎に異なる
  • 平成28年の法改正以前に製造されたバイクならばざっくり94デシベル以下でOK
  • バッフルは溶接やリベット留めで容易に脱着できなければOK
  • マフラーに詰め物をして音量を下げるのはリスクが高い
  • JMCA認定のマフラー以外でも車検には通る
  • 騒音規制以外に排ガス規制にも注意が必要
  • 平成24年10月1日以降に型式認定を受けたバイクが触媒装置を変更した場合、車検でガスレポが必要

騒音や排気ガスの規制は年々厳しさを増してきますが、制度の内容をしっかりと把握した上で、好みのカスタムをしていきたいものですね。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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