バイクってどこに置くのが正解?
法律的にはどうなっているんだろう…
バイクを買いたいけどアパートには保管場所がないし、適当に置いて違反や盗難に遭うのも絶対イヤだ。
できるだけ近くて安くて安全な保管場所を知りたいな。
という悩みを解消する記事です。
お伝えすることは以下の4つ。
- バイク保管場所についての法律
- バイクの保管場所にはどんな選択肢があるか
- 保管場所選びのポイント
- 保管する際の注意点
この記事を読めば、バイクをどこに置いたらいいか悩むことはもうなくなるでしょう。
生粋のバイク狂いがあなたの悩みに1から10までお答えしますよ。
気持ち分かるわー。任せとき!
ざっくり結論を言うと、バイクはなるべく自宅近くで、
50cc以下(原チャリ)なら駐輪場
50ccをこえる(中型以上のバイク)なら駐車場
に置きましょう。
具体的にどんな駐車場があるかも解説していきます。
充実したバイクライフには安心できる保管場所の確保が必須。
ベストなバイク置き場を見つけるために、ぜひ読み進んでみてください。
バイク保管に関する法律
まずは法律でどう定められているかをクリアにしましょう。
バイクの保管場所に関わる法律は「車庫法」「駐車場法」「道路交通法」の3つ。
結論から言うと、以下の2点がポイントになります。
- 車庫証明は必要ない
- 路上に置くのはおすすめしない
具体的に解説していきましょう。
バイクは車庫法の適用外
自動車の保管場所については『自動車の保管場所の確保等に関する法律』(通称「車庫法」)という法令で定められています。
主に、車を買うときに必要な車庫証明についての法律やな。
しかし、バイクに関しては車庫法が適用されません。
なぜなら、条文で対象になっている「自動車」からバイクを除くと書いてあるから。
(定義)
自動車の保管場所の確保等に関する法律 第二条|国土交通省
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 自動車 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(二輪の小型自動車、二輪の軽自動車及び二輪の小型特殊自動車を除く。)をいう。
ちなみに、『道路運送車両法』の規定とは以下の表のものです。
色を付けた部分が該当箇所です。
二輪はすべて除外されていますので、基本的に車庫法はバイクには関係ないと考えてOK。
つまり、バイクには車庫証明が必要ないのです。
路上に置くのは道路交通法違反(駐車違反)
バイクは車庫法の対象外のため、いわゆる「保管場所法違反」で検挙されることはありません。
(保管場所としての道路の使用の禁止等)
自動車の保管場所の確保等に関する法律 第十一条|国土交通省
第十一条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為
▲自動車(四輪)の場合は駐車禁止区域外でも保管場所法違反の対象になる
しかし、だからといってどこにでも置いていいわけではありません。
「家の前の路上に置く」ということを考えてしまいそうですが、NGと考えた方が良いでしょう。
まず、『道路交通法』で定められた駐車禁止区域内では駐車違反の対象になります。
駐車禁止の場所じゃなければいいんじゃないの!?
理屈のうえではそうかもしれんけどな…よく考えてみ。
駐車禁止の場所は以下の通り定められています。
- 駐停車禁止の標識や標示のある場所
- 交差点とその端から5m以内
- 道路のまがり角から5m以内
- 横断歩道・自転車横断帯とその端から前後5m以内
- 踏切とその端から前後10m以内
- 軌道敷内
- 坂の頂上付近、勾配の急な坂(上り、下りとも)
- トンネル
- 安全地帯の左側とその前後10m以内
- バス・路面電車の停留場の標識から10m以内(運行時間中に限る)
- 自動車用の出入り口から3m以内
- 道路工事区域の端から5m以内
- 消防用機械器具の置場、消防用防火水槽の端から5m以内
- 消火栓、指定消防水利の標識などから5m以内
- 火災報知機から1m以内
- 右側の道路上に3.5m(道路標識等により距離が指定されているときはその距離)以上の余地がない場所
文字だけだとイメージしにくいので、図で見てみましょう。
福岡県警のウェブサイトで簡潔に図示されていました。
上記をすべてクリアする場所というのは、現実的に考えて「長くて広めの私道」くらいではないでしょうか。
駐車禁止の場所ではないとしても、近所の人が「邪魔だ」と感じれば通報されてトラブルになりかねません。
現実的には、「路上に置く」は論外やな。
まあ、そもそも迷惑だしね。
50cc超のバイクは駐車場(駐車場法)
では、バイクはどこに保管すれば良いのでしょうか。
やっぱり駐車場だよね。駐輪場もアリ?
駐車場に関しては『駐車場法』で定められています。
駐車場とは、「自動車の駐車のための施設」(引用:駐車場法 第一条|国土交通省)です。
そして駐車場法における「自動車」とは、「第二条の四」にある通り「道路交通法に規定する自動車」のこと。
(定義)
道路交通法 第二条|国土交通省
九 自動車 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、原動機付自転車、軽車両及び身体障害者用の車椅子並びに歩行補助車、小児用の車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のものをいう。
『道路交通法』における原動機付自転車は50cc以下のバイクのことで、それ「以外」という規定です。
つまり、50cc以下の原チャリは駐車場には停められません。
50ccをこえる排気量のバイクは駐車場に置く、ということですね。
50cc以下のバイクは駐輪場(自転車法)
実は、50cc以下の原動機付自転車は「自転車法」(『自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律』)では「自転車等」と定義されています。
自転車法で定めている「自転車等駐車場」は要するに駐輪場のこと。
つまり、原動機付自転車は駐輪場に置くということになります。
バイク置き場の選択肢
まず、自宅が一戸建てで敷地内の駐車場やガレージに格納できるのであればそれがベストでしょう。
ここからは、以下のどちらかに当てはまる前提で解説していきます。
- 自宅は戸建てだが敷地内にはスペースがない
- アパート・マンション暮らしでどこに停めたら良いか分からない
50cc超のバイクの場合
原付以外のバイク(駐輪場が使えない)の場合から見ていきましょう。
- マンション等の駐車場
- 駐車場のデッドスペース
- バイク用の月極駐車場
- 一般の月極駐車場
- 月極のバイクガレージ
- 一般のレンタルコンテナ
1. マンション・アパート等の駐車場
まずは自宅の駐車場を利用するのが基本。
賃貸の場合、自動車用の駐車区画にバイクを停めて良いかどうかは賃貸借契約の内容によります。
分からなければ管理会社か大家さんに直接聞いてみると良いでしょう。
特に規定がない場合でも、相談すればOKしてくれる場合もありますよ。
- 自宅に近い
- 料金は安め
- 空きがないか、バイク不可の場合も
- 屋外の場合が多くセキュリティは工夫が必要
1-1. 駐車場のデッドスペース
やや特殊な方法ですが、正規の駐車区画以外のデッドスペースを利用させてもらえるように交渉するという手もあります。
たいていの駐車場には、階段下の狭い場所やコーナーの三角スペース等、「自動車を停めるには狭い」というデッドスペースがあるもの。
OKしてもらえるとは限りませんが、上手くいけば安めの賃料で使用できる可能性もあるでしょう。
2.バイク用の月極駐車場
バイク専用の駐車場も存在します。
まだまだ数が少ないので、専門の検索サイトを利用すると良いでしょう。
掲載件数はやや少ないですが、サイトの使い勝手がよく、地図上で空き情報が一目で分かります。
写真や見取り図があるため、物件を比較しやすいのもGOOD。
掲載件数が豊富ですが、やや使いにくい部分も。
情報が古めの場合もあるので、空き情報等については別個に問い合わせが必要です。
- 「バイク専用」という安心感
- 自動車用より賃料は安め
- 数が少ないので近所で見つかる可能性は高くない
- セキュリティは施設による
一般の月極駐車場
よくある自動車用の駐車場です。
こちらもバイクを置けるかどうかは管理会社や大家さんに問い合わせてみましょう。
探し方は近くの不動産屋で聞くか、Googleマップのストリートビューや徒歩で実際に近所の敷地を探して、管理会社の看板等があればそこへ連絡してみるのが基本。
もしくは変則的な方法ですが、SUUMO等の不動産検索サイトで「バイク置き場あり」の物件を探して交渉するのも手です。
許可してもらえる可能性は低いものの、手段の一つとして覚えておくと良いでしょう。
- 物件は比較的多い
- 家から離れてしまう場合も
- 基本的に屋外なうえ、目の届かない場所だとセキュリティ面はやや不安
月極のバイクガレージ(車庫)
バイク専用のレンタルガレージサービスもあります。
屋内で雨風から守れるうえ、警備会社と契約していたり盗難補償がついていたりと、セキュリティ面も保証してくれるのが大きな強み。
さらにはトイレや電源が使えるところもあり、もはや駐車場の域を超えています。
ただ、やはり数が少ないことと賃料が高いことがネックでしょう。
代表的なのは、「バイクパーキングアイドゥ」
- セキュリティは最強
- 施設によって充実した設備を利用できる
- 賃料が高い
- 都市部の数か所しか選択肢がない
レンタルコンテナ
バイクを格納できるレンタルコンテナを利用する方法です。
セキュリティや便利さでは専用ガレージに劣りますが、その分物件数が多く賃料もリーズナブル。
一般的な船舶コンテナを屋外に設置して物置等として貸し出しているものと、バイク用に改造されたものとがあります。
バイク用のものは、出入り口にスロープやラダーが設置されているのが大きなポイント。
とくに大型のバイクは、出入り口前に十分なスペースがなかったり段差があったりすると出し入れにとても苦労します。
汎用のコンテナを利用する場合は出し入れが可能かどうか必ず確認しましょう。
できればバイク専用のレンタルコンテナを探すのがおすすめです。
- セキュリティはかなり高い
- 工具やヘルメット等も収納できる
- 自宅から離れてしまいがち
- 夏場は内部温度がかなり高くなる
50cc以下の原付の場合
現実的には、原動機付自転車でも中型以上のバイク保管場所と同じでOKな場合がほとんどでしょう。
ただ「駐輪場」という選択肢が加わるので、50cc以下限定で停められる場所をご紹介します。
マンション・アパート等の駐輪場
集合住宅内の施設内に設置されている駐輪場は、屋根付きの半屋外タイプが大半です。
完全ではありませんが風雨から守ることができ、なんといっても家から近いことが一番のメリット。
しかもたいていは無料で使用できるので、原付の場合は最優先の選択肢でしょう。
駅前等の公営月極駐輪場
敷地外で月極を探すなら、駐輪場のほうが駐車場よりもはるかに安い賃料で借りることができます。
自宅から離れてしまうことがネックですが、警備員が常駐していたりチェーンロック可の場所が多いため、セキュリティ的にはやや安心。
また、「原付二種(50cc超125cc以下)まで」となっているところなら125cc以下のバイクも駐車可能です。
近くのマンションの駐輪場
変則的な方法ですが、自宅とは別のマンション等にある駐輪場を利用できる可能性もあるでしょう。
必ずそのマンションの管理会社に連絡して、使わせてもらえるかどうか交渉してみてください。
保管場所選び3つのポイント
駐車場にしても駐輪場にしても、意外といろんなパターンがあるやろ?
たしかに! でも、どれを選ぶのがいいか迷っちゃうよ。
保管場所を選ぶ際のポイントは3つ。
優先度順に解説します。
① 自宅から近いこと
大切なバイクを身近に置くことができれば、それが一番でしょう。
駐車場でも駐輪場でも、自宅の敷地内が最優先候補です。
セキュリティ上の安全性は高くない場合が多いですが、そこは工夫で解決。
費用的にも比較的安く済みます。
自宅の敷地内が無理なら、候補の駐車場・駐輪場を家から近い順にリストアップして比較しましょう。
② 一定以上の安全性が確保されていること
安全性とは、
- 盗難からバイクを守れる
- 雨風や汚れから守れる
という2つの意味合いです。
盗難に関しては100パーセント防ぐことはできませんが、屋内型のガレージやコンテナならリスクを限りなくゼロに近づけられるでしょう。
ただ、簡易シェルターやロックの仕方によって屋外でも対策は可能です。
よほどお金に余裕があるか「死んでも盗まれたくない」という人以外は近さを優先するのがいいと思うで。
③ 賃料が許容範囲内であること
最後は費用との兼ね合いになるでしょう。
予算の許す範囲内で
- なるべく家から近いところ
- 距離が同じくらいなら、安全性の高いほう
を選びましょう。
リストアップして順番に考えれば、自分に合った保管場所が見つけられそうだね!
保管方法の注意点
安全に保管するために、下記のポイントに注意してみてください。
カバーをかける
屋外の場合は、バイク用のカバーを掛けることで汚れ防止と盗難防止の両面に効果があります。
面倒でも必ずカバーをかけましょう。
ロックをかける
チェーンロック(U字ロック含む)とディスクロックがあり、併用すれば効果が高まります。
アラーム付きのディスクロックは風などで誤作動することがあるので、住宅地での使用には注意が必要。
チェーンロックは、移動不可能な構造物とバイクを繋ぐ「地球ロック」で留めましょう。
屋外なら、カバーをかけた上から(チェーンロックを通せる穴のあるカバーを使用)地球ロックをかけ、さらにもう一つ予備をかけておくのが理想です。
シェルターを使う
据え置き型のバイク用簡易シェルターが販売されています。
カバーよりはやや高価ですが、下からの埃の巻き上げもカバーでき、より高い盗難抑止効果も期待できます。
大きめのカバーならちょっとした工具等も収納できるので、予算が許せばかなりおすすめです。
まとめ
大切なバイクを守るために、どこに置くかは慎重に選びたいところ。
なるべく近いところからリストアップして、予算の許す限り安全性の高い保管場所を選ぶのが良いでしょう。
専用のスペースに気持ちよく収まっている愛車を見るのはいいものです。
ぜひあなたの愛車に最適な場所を見つけて、素敵なバイクライフをお過ごしください。