バイクの排気量が251ccを超えると、車検が必要です。車検は、安全な交通を維持するために重要であり、定期的な検査が義務付けられています。しかし、初めて車検を受ける人は費用や手続きに不安を感じることも多いでしょう。
車検費用は、車検の方法や業者によって大きく異なります。主に「ユーザー車検」「代行業者車検」「ディーラー車検」の3つがあり、車検費用は平均で2万〜6万円ほどかかります。この記事では、バイク車検にかかる費用の内訳や車検を安く抑える方法について詳しく解説します。正しい情報を把握し、安心してバイクを運転できる環境を整えましょう。
バイクの車検にかかる費用目安は?
バイクの車検費用は、2万円から6万円程度が一般的な相場です。
車検費用は、選ぶ車検方法によって大きく変わります。例えば、自分で手続きを行う「ユーザー車検」は約2万円で最も安価ですが、その分手間がかかります。「代行業者」を利用した場合は、3万円から4万円ほどが目安で、「ディーラー車検」は4万円から6万円程度かかります。
安さを重視するか、手間を省くかで、費用が大きく変わることを覚えておくとよいでしょう。
バイクの車検にかかる費用の内訳
バイクの車検費用は、大きく「法定費用」と「車検基本料」の2つに分かれます。
法定費用には、自賠責保険料や自動車重量税、印紙代が含まれ、これはどの車検方法でも必須です。一方、車検基本料は、整備や点検作業にかかる費用で、業者に依頼する場合に追加されます。
バイクの状態や選ぶ車検方法によって、費用は変動しますが、これらの内訳を把握しておくことが重要です。
参考:Q1.自動車の車検(検査)はどのように受ければよいですか?|国土交通省
法定費用
法定費用とは、バイクの車検で必ず発生する最低限の費用です。自賠責保険料、自動車重量税、そして車検時に必要な印紙代が含まれています。
これらは法律で定められており、どの車検方法を選んでも支払う必要があるため、費用を抑えることはできません。
自賠責保険
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、バイクや自動車の所有者が必ず加入しなければならない損害保険です。この保険は、交通事故による他者への損害賠償をカバーするもので、特に車検が必要な250cc以上のバイクでは、法定費用の一部として支払います。
250cc以下のバイクも、車検が不要でも自賠責保険の加入は義務付けられています。
保険料は、車検の残存期間によって異なります。車検が残っている場合は24ヵ月分として8,760円が必要ですが、車検が切れている場合は25ヵ月分で8,910円となります。この保険料は、車検の際に他の法定費用と合わせて支払うことが一般的です。
自賠責保険は、万が一の事故に備えるために欠かせない制度であり、これを怠ると法律的なトラブルを招く恐れがあります。安全な運転を心掛けるだけでなく、必要な保険に加入することも重要です。
自動車重量税
自動車重量税は、バイクの重量や使用年数に応じて国が徴収する税金です。
排気量が250ccを超えるバイクでは、初回登録から13年未満の場合は年間1,900円、13年以上18年未満の場合は年間2,300円、18年以上になると年間2,500円がかかります。
車検は通常2年ごとに行われるため、たとえば13年未満のバイクなら車検時に3,800円を支払うことになります。この税金は、車検時に必ず支払う決まりになっています。
印紙代
バイクの車検時には、印紙代も必要です。
この印紙代は、検査や登録の運営費用、さらに車検証の発行に使われます。印紙代はバイクの排気量や年数に関係なく一律で、基準適合性審査には1,300円、自動車検査手数料には500円が必要です。
車検基本料
車検基本料は、バイクの車検を代行業者やショップに依頼する際に発生する費用です。この基本料には、主に下記の料金が含まれます。これらの金額は、業者によって異なります。相場としては、一般的に4万円から6万円程度が見込まれます。
ただし、基本料に加えて以下の費用が別途かかることがあります。
- 整備費用
- 部品代
バイクの専門知識を持つ技術者が点検を行うため、その分の費用も考慮に入れる必要があります。特に、車検の検査中に不具合が見つかると修理や部品交換を求められることがあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
バイクの車検を受ける方法
バイクの車検を受ける方法は主に3つあります。
まず、自分で陸運局に持ち込む「ユーザー車検」、次に「代行業者」に任せる方法、そして整備を含めてバイクショップに依頼する「ディーラー車検」です。
バイクは、初回新車登録から3年後、以降は2年ごとの車検が義務付けられています。各方法の特性を理解し、自分に合った方法を選択しましょう。
ユーザー車検
ユーザー車検は、自分で陸運局にバイクを持ち込んで受ける車検のことです。
メリット
また、自分で点検や整備を行うことで、バイクの状態を自分で把握できる点も大きなメリットです。これにより、問題の早期発見や適切なメンテナンスが可能となり、バイクに対する理解が深まります。さらに、自分で作業することで、メンテナンスの技術を向上させることもできます。
デメリット
費用が安い代わりに、ユーザー車検にはデメリットがあります。
ユーザー車検を選ぶ際は、注意深く準備することが求められます。
代行業者車検
代行業者車検は、ユーザー車検の手続きを代行業者に依頼する方法です。
メリット
デメリット
ディーラー車検
ディーラー車検は、バイクショップや販売店に車検を依頼し、すべての工程をプロに任せる方法です。
メリット
バイクの販売店やディーラーに依頼すれば、陸運局に行く必要がなく、平日に休みが取れない人でも問題なく車検を受けることができます。また、プロの整備士がバイクを点検・整備してくれるため、技術や知識がなくても安心して任せられるのが魅力です。特にバイクのメンテナンスに不安がある人には、信頼できるプロによるチェックが受けられるので、車検後も安心して走行できます。
デメリット
ユーザー車検とディーラー車検、どっちがおすすめ?
ユーザー車検とディーラー車検、どちらを選ぶべきかは、整備の習慣や時間の有無によって異なります。
結果として、時間に余裕があるが費用を抑えたい人には「ユーザー車検」、信頼と安心を重視する人には「ディーラー車検」が適しているといえます。
バイクの車検費用を安くする方法
バイクの車検費用を抑えるには、いくつかの方法があります。
- 定期的にメンテナンスする
- ユーザー車検を選択する
- 複数の車検業者に見積もり依頼する
- 車検費用の内訳を確認する
信頼できる業者であれば、費用を抑えつつ安心して車検を通すことができます。ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
定期的にメンテナンスする
定期的なメンテナンスは、車検費用を抑えるために非常に重要なポイントです。
オイル交換やタイヤの空気圧確認など、日頃から自分で点検を行っておけば、車検時に大きな不具合が見つかるリスクを減らせます。これにより、修理費用が抑えられ、車検の総費用も低く抑えられるでしょう。日常的なメンテナンスが、結果的に大きな節約につながります。
ユーザー車検を選択する
ユーザー車検は、自分で運輸支局にバイクを持ち込み、検査を行う方法です。手続きや整備も自分で行うため、費用を抑えられるのがメリットですが、平日にしか検査ができず、専門知識が求められます。時間や手間がかかる点がデメリットですが、整備に自信があり、平日に時間が取れる人にとってはコスト削減の有効な手段です。
複数の車検業者に見積もり依頼する
車検費用を抑えるためには、複数の業者に見積もりを依頼して比較することが有効です。法定費用はどの業者でも一定ですが、車検基本料金は業者ごとに異なるため、費用に差が出ることがあります。また、見積もりを通じて不要な整備項目を確認し、必要最低限の整備に絞ることで、無駄な出費を避けることが可能です。ただし、安全性に関わる部品交換は怠らないようにしましょう。
バイクの車検を受ける際の注意点
バイクの車検を受ける際は、いくつか注意するべきポイントがあります。
- メンテナンス・整備の知識を勉強する
- 安いだけで業者を選ばない
- ユーザー車検に通らなかった場合は注意が必要
それぞれの注意点について詳しく解説します。
メンテナンス・整備の知識を勉強する
ユーザー車検を選択する場合には、バイクの基本的なメンテナンスや整備の知識を持っておくことが重要です。知識不足のまま作業を行うと、誤った整備でかえってバイクの状態を悪化させる可能性があります。必要な整備箇所や方法を理解していれば、適切なメンテナンスができ、車検もスムーズに進められるでしょう。
安いだけで業者を選ばない
代行車検を依頼する際に、費用の安さだけで業者を選ぶことは避けるべきです。
車検はバイクが安全に走行できるかを確認する重要な手続きであり、いい加減な業者を選ぶと故障や事故のリスクが高まります。見積もりを比較する際は、料金だけでなく口コミや評判もチェックし、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
ユーザー車検に通らなかった場合は注意が必要
ユーザー車検で不合格になると、その後の対応が複雑になるため注意が必要です。不合格が出た場合、即座にバイクの整備が求められますが、整備内容によっては自分で対応できないこともあります。特に専門的な知識が必要な場合は、プロに依頼する必要が出てきます。
そのため、明らかに異常や故障があるバイクは、最初からディーラーや整備工場に車検を依頼するようにしましょう。
バイク車検に関するよくある質問
最後に、バイクの車検でよくある質問について解説します。
バイク車検で必要な書類は?
バイクの車検を受ける際に、必要な書類について解説します。
業者に依頼する場合は、以下の3つの書類が求められます。
- 自動車検査表(車検証)
- 自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証明書)
- 軽自動車納税通知書(車検が切れる年のもの)
自分でユーザー車検を行う際は、これに加えて「継続検査申請書」、「定期点検整備記録簿」、新しい「自賠責保険証明書」も必要です。業者に依頼する際は、これらの書類を準備してもらえることが多いですが、自分で手続きする場合は事前に確認しておきましょう。
車検が不要なバイクとは?
原付や125cc、200cc、250ccのバイクは、車検が不要です。
このため、車検代を心配する必要がなく、経済的な負担が軽減されます。車検がないことで、定期的な点検や整備を自分のペースで行えるのも魅力です。ただし、法定整備は必要なため、定期的なメンテナンスを忘れずに行いましょう。
車検切れになったバイクはユーザー車検できる?
車検が切れたバイクでも、ユーザー車検を受けることは可能です。
この場合、継続検査として扱われますが、車検切れの状態で公道を運転すると厳しい罰則が科せられます。自賠責保険が有効な場合、6点減点となり、最低30日間の運転免許停止が命じられることもあります。保険が切れている場合は、12点減点で90日間の運転免許停止になるため、運転は避けるべきです。
車検切れのバイクでユーザー車検を受ける際の方法は主に2つあります。
1つ目は、仮ナンバーを取得することです。仮ナンバープレートは市町村からレンタルでき、費用は約750円です。取得には印鑑、自賠責保険の原本、車両確認書類、本人確認書類が必要です。これらを持参し、窓口で手続きします。
2つ目の方法は、近くの車検場までバイクを押して行くことです。エンジンをかけずに押せば歩道を利用できるため、車道に出る必要がありません。
このように、車検切れのバイクでも安全にユーザー車検を受ける方法はあるため、しっかり準備をして行動しましょう。
まとめ
バイクの車検費用は選ぶ方法によって異なり、一般的に2万円から6万円程度です。法定費用に加え、車検基本料がかかるため、業者によって総額が大きく異なります。安く抑えるためには、ユーザー車検を選ぶことがおすすめですが、整備の知識や技術が求められます。自分に合った車検方法を見つけて、安心してバイクの運転を楽しみましょう。