バイクのフレームの歪みは重大問題?
バイクで最も重要なパーツ、それはフレームです。
もちろん、エンジンやタイヤなど重要なパーツは他にもありますが(というか、ほとんどのパーツが重要ではありますが)、やはり最も重要なパーツはフレームなのです。
もっというならば、重要どころかフレームはバイクそのものなのです。
その証拠にバイクの車体番号は必ずフレームに刻印されています。
つまり、フレームさえ同じならば他のどのパーツが交換されても同じバイクとみなされるということです。
また、そのバイクが過去にどのような修理をされていたとしても、フレームの修復がされていなければ修復歴は『なし』という扱いになります。
バイクにとって、かように重要な存在であるフレームに歪みがあったとしたら、それはもう大ごとです。
今回の記事では、バイクのフレームの歪みについて記していきたいと思います。
バイクのフレームは歪んでいる?
ネットなどを見ていると、どのバイクのフレームも歪んでいるという情報を目にすることがあります。
もちろん厳密に見れば、わずかな歪みもないフレームなど存在しません。
そこで、走行に差し支えのない範囲の歪みは歪みなしとみなすということです。
したがって、どのバイクのフレームも歪んでいるという意見はある意味で正解であり、ある意味で不正解というわけです。
いずれにせよ、フレームはバイク全体を支える根幹となる部分ですから、そこに一定限度以上の歪みがある状態は非常に危険です。
では、バイクのフレームに歪みがあると、どのような症状が出るのかを次に見ていきましょう。
バイクのフレームの歪みがもたらす症状は?
バイクのフレームの歪みがもたらす代表的な症状は、バイクが真っ直ぐ走らない、というものです。
ご自身のバイクですと、乗り慣れてしまって案外気づかないこともありますが、両手放しで走行すると左右どちらかにスーッとバイクが寄っていってしまうことがあります。(両手放し走行は公道では決して行わないでください)。
これはとても危険な状態ですので、歪みの修正をすることをお勧めします。
しかし、バイクが真っ直ぐ走らないのはフレームの歪みだけが原因ではありません。
私個人の体感で言いますと、フレームの歪みよりもフロントフォークの歪みが原因となっていることの方が多いような気がします。
フロントフォークはフレームではありませんが、フレーム同様重要なパーツですし、フレームの歪みよりも判断がしやすい部分ですので、ここでついでにお話ししておきます。
バイクを真っ直ぐに立てて(センタースタンドがあればセンタースタンドで立てる、なければ誰かに真っ直ぐ支えておいてもらう)、ハンドルを真っ直ぐの位置にします。
その状態で前方から見れば、フロントフォークが歪んでいるかどうか、判断できるかと思います。
もし歪んでいるようならば、アンダーブラケットのボルトを全て緩めてみてください。
そして、改めて前方からフロントフォークの歪みを確かめます。
この時点で歪みが改善される可能性が結構あります。
それでも改善されないようならば、さらにトップブリッジのボルトも緩めてみましょう。
無事、フロントフォークの歪みが改善されたら、全てのボルトを閉めることをお忘れなく。
ちなみにこの方法は、フロントフォーク自体が曲がってしまっている場合には効果がありませんので、その際には諦めて新しいフロントフォークに交換するしかありません。
少し脱線してしまいましたが、次は本題のフレームの歪みの判断方法についてお話しします。
バイクのフレームの歪みを判断するには?
バイクの周りを1周回って、うん、なんか歪んでるねって、はっきりわかるほど歪んでいればいいのですが(状態としては全然良くないですが)、それほどはっきり歪んだバイクに乗っている方も珍しいでしょう。
そんな時にフレームの歪みを判断するのに、良い指標となるのがハンドルストッパーです。
フレームにそれなりの歪みがあるということは、それなりの転倒や衝突があったということですから、ほぼ確実にハンドルストッパーへのダメージがあると考えられます。
したがって、逆に考えるとハンドルストッパーに大きなダメージがあれば、フレームにもダメージが来ているだろうと推測できます。
大体のバイクのハンドルストッパーはフレームのネック部分(車体番号が刻印されている部分)の下の方から出っ張っています。
それがアンダーブラケット側の出っ張りと当たってハンドルの切れ角を決定しているわけです。
ネック部分周辺は見づらいことが多いので、懐中電灯などを使って覗き込んでみてください。
出っ張り同士が当たる部分に大きな凹みや欠損があれば、そのバイクに転倒などのそれなりの衝撃が加わった証拠です。
これは中古バイクを見定めるのにも役立ちますので、是非実践してみてください。
バイクのフレームの歪み、修正するには?
先述の通り、目視なりハンドルストッパーの確認なりでどうも自分のバイクのフレームは歪んでそうだぞとなると、当然その歪みを修正したくなります。
しかし、残念ながらフレームの歪みとなるとご自身の手で修正するのはなかなか困難です。
実際フレームがどちらにどの程度歪んでいるかの測定およびその修正には、専用のマシンが必要となります。
どのバイク屋さんでも置いているというシロモノではありませんので、お住まいの地域でバイクのフレーム修正を手掛けているお店を探していただくのが良いでしょう。
有名なところでは、レッドバロンさんのACIDMという診断マシンです。
ACIDAMでホイールアライメント(前後ホイールが真っ直ぐ並んでいるかということ)の検査だけなら、2,200円(国産車)で受けることができるので、興味のある方は一度試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回はバイクのフレームの歪みについてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
しつこいようですが、フレームはバイクにとって最も重要なパーツですので、歪みを感じたらショップで点検を受けて、対処されることをお勧めします。
フレームは普段あまり目につく部分ではないので、気にしない方も多いですが、意識して目を向けてみると、面白い構造をしていることは発見することもあり、愛車への愛着が増すこと間違いなしです(ちなみに、私が最も好きなバイクのパーツはフレームです)。
この記事が皆様の安全で楽しいバイクライフに少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。