バイクのエンジンが止まる原因は?
突然ですが、バイクはエンジンが動くことで進む乗り物です。
したがって、エンジンが止まってしまうと、バイクは進むことができません。
いわゆるエンジンストール(エンスト)です。
バイクのエンジンが止まることは、動物の心臓が止まることに等しいといっても過言ではありません。
自分の大事なバイクのエンジンが止まるなんて、これほど嫌なことはありません。
しかし、現実問題、バイクのエンジンは突然(だいたい予兆はあるものですが)止まってしまうことがあります。
一体なぜ、バイクのエンジンは止まってしまうことがあるのでしょうか?
そしてその対処法、予防法はあるのでしょうか?
今回の記事ではそうした疑問にお答えしていきたいと思います。
バイクのエンジンが止まったときに真っ先にするべきこと
バイクのエンジンがストールしてしまったときにとるべき行動は状況によっていろいろありますが、どのような状況であれ、まず第一にするべきことがあります。
それは『安全な場所にバイクを移動させること』です。
道路の端でも、歩道でも構いません。
まずは他の車の走行を妨害しない場所に移動しましょう。
これはもちろんあなた自身とバイクを守るための行動でもあります。
何を当たり前のことを、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、ビギナーのうちは突然エンジンがストールしてしまうとパニックになる可能性が少なくありません。
信号待ちでストールした場合は、青に変わってしまうと後ろの車からクラクションを鳴らされ、余計に焦ってしまいますし、走行中ですと、当然後続車と接触するリスクがあります。
ですから、ストールしたらその場で解決しようとせずに、まずは何も考えずに、最優先で安全な場所に移動しましょう。
エンジンが突然ストール!最初に疑う原因は?
バイクのエンジンは、ガソリンと空気の混合気がキャブレターあるいはインジェクションから噴射され、それが燃焼室で爆発することで動いています。
したがって、ガソリンがなければバイクのエンジンは動きません。
そう!バイクのエンジンがストールしたときに真っ先に疑うべきなのは『ガス欠』です。
特に、走行中にバイクがカクカクし出して、ココッコココッて感じで止まっていったならば、ガス欠の可能性大です。
フューエルコック(ガソリンタンクの下方にあるレバー)にON、OFF、RESの表示があり、停車時のレバーの位置がONならば、あなたは助かる可能性が高いです。
レバーをRESの位置に回して30秒ほど待ってから、エンジンをかけてみましょう(RESの表示がなく、PRIがあれば、PRIで)。
おそらくエンジンはかかるでしょう。
RESとはリザーブ、すなわち予備燃料なのですから。
ちなみに予備燃料が蓄えられる予備タンクというものが存在するわけではありません。
タンクの下のほうに残った最後の燃料が予備燃料です。
この方法で幸いにもエンジンが復活した際には、ソッコーで給油にいきましょう。
一方、停車時のレバーの位置がRESならば、タンクの中の燃料は全て使い切られたことになります。
近くのガソリンスタンドまでバイクを押していくか、近くにガソリンスタンドがなければ、JAFや任意保険に付帯したロードサービスを呼ぶことになります。
いずれにせよ、コックの位置だけでなく、実際にタンクを開けてガソリンが残っているかどうかを確認することが重要です。
もし、ガソリンが明らかにたっぷり残っているならば、エンストの原因はガス欠以外ということになりますからね(すごい当たり前のことを書いてる気がする(汗))。
アイドリングが不安定でエンジンが止まる場合
アクセルを開けて勢いよく走っているときには問題ないのに、停車してアイドリング状態になると安定せず、エンジンが止まってしまうという症状があります。
アイドリング状態はエンジンの回転数が1000rpmから2000rpmと低く、適正な混合気が噴射されていないと不安定になってしまうのです。
先ほども書きましたように、バイクのエンジンはガソリンと空気の混合気が噴射され、それが燃焼することでピストンが動き、回転運動へとつながっていきます。
エアーフィルターを通ってきた空気は、キャブレターでガソリンと混ざり、混合気となって燃焼室に噴射されます。
すなわち、キャブレターが詰まっていたり、エアクリーナーが汚れていたりすると、ガソリンと空気のバランスが悪くなり、エンジン始動の三要素の一つである『良い混合気』がかけることになります。
この場合、キャブレターを分解、洗浄したり、エアクリーナーを洗浄したりすることになるわけですが、路上でできる作業ではありませんので、普段から定期的にキャブレターとエアーフィルターは清潔に保っておくのが吉です。
エンジン始動の三要素
先ほど、エンジン始動の三要素の一つである『良い混合気』について触れましたので、あとの二つを放置するわけにもいかないですねw
残り二つの要素とは、『良い点火』と『良い圧縮』です。
良い点火とは、スパークプラグが混合気を燃焼させるのに必要なだけ強い火花を飛ばしているかということです。
外からは見えないので普段はあまり意識しませんが、スパークプラグは消耗品です。
時折外して電極の状態をチェックしてあげましょう。
プラグの状態があまり酷ければ、新品に交換することも必要です。
なかには、交換用のプラグを常にバイクに積載している方もいらっしゃいます。
プラグは電極の焼け具合がこんがり狐色なのが理想的とされています。
真っ黒けだったり、真っ白けだtたりするのは混合気が濃すぎたり、薄すぎたりする証拠です。
特に、真っ白けすなわち薄すぎる場合には注意が必要です。
その状態のまま走り続けると、エンジンが焼き付く可能性があるからです。
エンジンが焼き付くとシリンダーやピストンが固着し、あるいは傷がつき、燃焼室の圧縮が保てなくなってしまいます。
すなわち、『良い圧縮』がかけてしまいます。
これら三要素はそれぞれが独立しているわけではなく、有機的に関わり合って絶妙なバランスを保ち、エンジン始動を可能なものにしています。
したがって、エンジンがかからない、ストールしてしまうという症状が出たときには、悪い部分を探すというよりも、崩れたバランスを整えるという観点が重要です。
まとめ
今回はバイクのエンジンがストールする原因についてみてきましたが、いかがでしたか?
以上の内容をまとめると、以下のようになります。
- バイクのエンジンが止まったら、慌てず騒がず端に寄る
- 最も怪しいのはガス欠
- アイドリングが不安定ならキャブとエアクリーナーのメンテナンスを
- 点火プラグは消耗品、定期的にメンテナンス、交換しよう
- エンジン始動には『良い混合気』、『良い点火』、『良い圧縮』の三要素のバランスが重要
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
この記事の内容が皆様のバイクライフをよりよくするために少しでもお役に立てば幸いです。
ではまた、別に記事でお会いしましょう。