車検切れバイクを放置している場合に注意すべきポイント

排気量が250ccを超えるバイクには車検があります。

250ccを「超える」ですから、250ccジャストのバイクには車検は不要です、念のため。

250ccを超えるバイクの車検有効期間は、新車登録時は3年間、以降は2年間となります。

この3年や2年という期間を過ぎてしまうと、いわゆる「車検切れ」の状態になるわけです。

車検切れになったバイクを放置しているとどうなるのでしょう?

今回は、車検切れになったバイクを放置するとどのようなリスクがあるか、車検切れの放置バイクを処理するにはどうすればよいかなどについてご説明したいと思います。

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バイクの車検とは?

そもそも、バイクの車検とはなんのためにある制度なのでしょう?

バイクは高速で道路を走行する機械です。

長期間使用していると必ずどこかに不具合が生じます。

その不具合がトラブルや事故につながり、安全な道路運行を妨げることになります。

そうした道路運行の妨げを未然に防ぐために、車検という制度があるのです。

したがって、車検ではそのバイクが安全に道路を走行するにあたって必要な基準(これを保安基準といいます)を満たしているかを検査されます。

たとえば

  • 車体のサイズ
  • ライト類
  • マフラー
  • タイヤ
  • ブレーキ
  • メーター類

などの項目をチェックされます。

車体のサイズは変更されていないか、ライトはちゃんと点くか、マフラーの排気音は基準内か、タイヤの溝は残っているか、ブレーキはしっかり効くか、メーターは正確な数値を指しているか、といったことを検査員が見ていきます

すべての保安基準が満たされていれば、めでたく車検期間が更新されるというわけです。

ユーザー車検も案外簡単だよ!

法定点検も使用者の義務

12ヶ月点検とか、24ヶ月点検という言葉を聞いたことはありませんか?

これは法定点検と言われるもので、バイクの使用者が行う義務と定められています。

道路運送車両法には、以下のように定められています。

第四十八条 自動車(小型特殊自動車を除く。以下この項、次条第一項及び第五十四条第四項において同じ。)の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない
一 自動車運送事業の用に供する自動車及び車両総重量八トン以上の自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車 三月
二 道路運送法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自家用自動車(国土交通省令で定めるものを除く。)、同法第八十条第一項の許可を受けて業として有償で貸し渡す自家用自動車その他の国土交通省令で定める自家用自動車(前号に掲げる自家用自動車を除く。) 六月
三 前二号に掲げる自動車以外の自動車 一年

e-Govより引用(赤マーカーは筆者加筆)

というわけで、法律にバッチリ「点検しなければならない」と記載されているのです。

しかし、2018年にヤマハが500人のバイクユーザーを対象に行った調査によると、実際のところ定期点検を行っているバイクユーザーは65%にとどまりました。

参照:バイク点検・整備に対する調査結果を発表

車検切れのバイクを公道で運転すると6点減点で免許停止ですが、定期点検は法定であるにもかかわらず、罰則規定がないのが主な要因だとも言われています。

どれだけバイクの運転がうまくても、トラブルを抱えた状態で走行すれば事故は避けられません。

法定点検はバイク屋や整備工場にやってもらうのが確実ではありますが、ユーザー自身で実施することもできます。

以下に、二輪点検整備記録簿のリンクをご用意しておりますので、是非ご利用ください。

二輪点検整備記録簿(別表7)

この二輪点検整備記録簿をダウンロードして記録しておけば車検のときにそのまま提出できます。

ちなみに、排気量が125ccを超えて250cc以下のバイクに車検はありませんが、法定点検の義務はあります。

点検を実施しなかったからと言って罰則こそありませんが、点検記録簿をつけておけば、未然にトラブルを防ぐことができますし、いつどんな不具合があったかの履歴を記録することもできます。

また、買取査定のときに記録簿を査定員に見せれば、値上げ交渉の材料にもなりうるので、定期点検を実施した上で保管しておくことをおすすめします。

自動車の点検整備制度

点検整備制度と車種の関係

車検切れバイクを放置した時の問題点

罰則

まず、バイクの車検が切れて最も大きな問題となるのは、公道を走行できないということです。

もし、車検切れの状態で公道を走行してしまうと、6点減点で30日間の免許停止、自賠責も切れていれば12点減点で90日間の免許停止となります。

このあたりについては、以下の記事に詳しく書いておきましたので、ご参照ください。

税金

次に、車検切れであっても軽自動車税はかかり続けるという問題があります。

もし、車検が切れていて廃車手続きをしていないにもかかわらず軽自動車税の払込用紙が届かなければ、それは何らかの理由で払込書が届いていないだけで、税金が免除されたわけではありません。

最悪のケースですと、あなたの知らない間に滞納扱いになって、延滞金が発生しているかもしれません。

身に覚えのある方は、車検証に記載されている住所の市区町村役場に問い合わせてみたほうが良いでしょう。

車検切れと税金の関係については、以下の記事でご説明しているので気になる方はご一読ください。

動かなくなる

最後に、これもとても大きな問題なのですが、放置している間にバイクが動かなくなっているという可能性があります。

車検が切れているということは、当然そのバイクで公道を走ることはできませんので、結果的に長期間乗らずに放置しておくことになります。

バイクというのは定期的に動かしてやってこそ、コンディションを保てるものです。

人間でもずっと座りっぱなしでは足腰が辛くなってきますよね。

車検が切れて1年、2年と放置した後に、そろそろバイクを車検に通して乗ろうかとなったときに、エンジンが始動しない、オイルが漏れている、などということになったら、そのままでは車検に通りませんので、まずは不具合箇所の修理をしなければなりません。

そうなるとかなりの出費になってしまう可能性があります。

罰則!税金!故障!の三重苦か…:(;゙゚’ω゚’):

車検切れの放置期間こそ定期点検

車検切れでガレージ等に置いてあれば、定期点検の義務はありません。

しかし、さきほども書いたように、バイクは放置している方が傷みやすいものです。

ですから、いずれは車検に通して再び乗ろうと考えているならば、6ヶ月に一回は二輪点検整備記録簿の項目を参考に点検をしておくことをおすすめします。

時間がなければ、すべての項目を点検しなくても、できる範囲だけでもやっておくとだいぶ違うと思いますよ。

車検切れのバイクを買取に出すという選択肢

さきほどお話したように、車検切れのままバイクを放置してしまい、気づけば不動になっているというのはよくある話です。

下のふたつのケースをご覧下さい。

  1. 車検切れ→数ヶ月放置→不動→売却
  2. 車検切れ→売却

1番と2番、どちらのケースの方がバイクを高く売れると思われますか?

多くの方が常識的に考えて2番だと思われるのではないでしょうか、そしてそれは正解です。

たしかに、まだ乗るかもしれないし、売るのはちょっと…というお気持ちは重々お察しします。

しかし、そのバイク、どうして車検切れになったのでしょうか?

ほとんどバイクに乗っていなかったから、知らないうちに車検が切れていた、あるいは車検が切れてバイクに乗らなくても特に差し支えなかったからではないですか?

もちろん、やむを得ない事情がおありの方もいらっしゃると思いますが、上記のような理由でバイクが車検切れになっている場合、再度そのバイクに乗り出す可能性は極めて低いものと考えられます。

バイクが不動車になってしまってから処分しようと思っても査定額はかなり落ちますし、依頼する業者によっては処分費用を請求されてしまうかもしれません。

思い出深いバイクを売却するのは名残惜しいとは思いますが、ホコリをかぶって不動になっているバイクを見るのはさらに悲しいですよね。

車検が切れているだけなら、査定額にはほとんど影響しませんので(少なくとも当店なら)、大事なバイクがきれいな姿のうちに買取に出すこともぜひご検討ください。

まとめ

今回は、車検切れバイクを放置している場合に注意すべきポイントについてお話しさせて頂きました。

これまでの内容をまとめますと、

  • バイクの車検とはバイクが安全に道路を運行するための基準を満たしているかを検査する制度である。
  • 排気量が125ccを超えるバイクには法定点検の義務がある。
  • 車検切れバイクを放置していると、罰則、税金、故障のリスクがある。
  • 車検切れで放置しているときこそメンテナンスが重要
  • 車検切れバイクを放置しているなら売却も有力な選択肢である。

ということになります。

車検切れバイクを放置していて良いことはなにひとつありません。

もし、お持ちのバイクが車検切れで放置されているなら、この記事を参考にしていただけますと幸いです。

それでは、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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