ヤマハの大ヒットロングセラースクーターであるジョグの派生モデルとして1993年に登場したジョグアプリオ。
その後、スタンダードなジョグと並行してアプリオも様々なバージョンを生み出していきます。
そして、1998年にアプリオナチュラルとしてモデルチェンジされたときにはなぜかジョグの表記が消えていたというちょっと不思議な経緯があります。
少し小振りなボディーで日常使いに人気のあったアプリオ、その買取相場について解説させていただきます。
アプリオの買取相場
車種名 | 型式 | 走行距離 | 買取価格 |
---|---|---|---|
ジョグアプリオ | SA11J | 1453km | 28000円 |
ジョグアプリオ | 4JP | 1816km | 28000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 2959km | 28000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 2987km | 28000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 4829km | 27000円 |
ジョグアプリオタイプⅡ | 4LV | 9080km | 22000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 7141km | 22000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 4768km | 22000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 2754km | 22000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 2658km | 22000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 2415km | 20000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 1719km | 20000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 1206km | 20000円 |
ジョグアプリオ | SA11J | 3723km | 20000円 |
ジョグアプリオEX | 4LV | 4388km | 20000円 |
※上記買取価格は全て税込みの価格です。
上でも書きましたが、アプリオにはいくつかのバージョンがあります。
スタンダードなジョグアプリオ(4JP)、フロントブレーキがディスク化されたジョグアプリオEX(4LV)、スポーティーなデザインと7.2psのハイパワー仕様のジョグアプリオタイプⅡ(4LV)、排ガス規制に対応したアプリオナチュラル(SA11J)、そして最後にアプリオ(SA11J)となります。
以上のように5種類あるアプリオですが、上に示した買取相場一覧表では、ジョグアプリオ、アプリオナチュラル、アプリオの3種類は、すべてジョグアプリオと表記させていただいております。
さて、買取相場一覧表の内容を見てみると、全15台中、実に13台をジョグアプリオが占めています。
さらに、13台のジョグアプリオの型式を見てみると、13台中12台がSA11Jとなっております。
つまり、全15台中12台がSA11Jということになります。
SA11Jということは、排ガス規制対応以降のアプリオナチュラルか、アプリオのいずれかです。
このことから、アプリオの場合、比較的年式の新しいSA11Jでなければ、2万円を超える買取査定額がつくのは難しいと言えます。
逆に、4LVすなわちジョグアプリオEXとジョグアプリオタイプⅡは2スト時代の人気車種ですので、ある程度状態が良ければ2万円程度の査定額を期待できるかもしれません。
アプリオの歴史と魅力
アプリオはヤマハの人気スクーターであるジョグの派生モデルですので、まずはジョグについて簡単にご説明したいと思います。
ジョグの発売は1983年で、(あくまで当時としては)パワフルなエンジン、軽量な車体(なんと49kg!)、安価な価格設定という、スクーターの3大美徳を備えており、たちまち大ヒットとなりました。
その後、様々な改良を加えながらモデルチェンジを重ね、1994年に発売されたスーパージョグZRは7.2PSという高出力を誇り、原付スクーターブーム、ここに極まれりといった感でした。
しかし、永遠に続くかのように思われたスクーター熱にも排ガス規制の波が押し寄せました。
規制に対応したモデルを作るべく、各バイクメーカーは懸命に取り組みましたが、その結果できたバイクはかつての輝きをすっかり失ってしまいました。
アプリオに限らず、すべてのバイクの売上は先細りとなり、生産拠点を中国などの国外に移すモデルが数多く発生しました。
そして、現在のジョグはなんとホンダからのOEM供給で生産しているという、驚きの状態になっています。
ヤマハがホンダからのOEM供給を受けてバイクを作ることになるなんて、誰が想像できたでしょう?
ともあれ、ジョグは国内スクーターとしては、最も長い生産期間を持つシリーズという称号を得ました。
30年以上の長きに渡るジョグの歴史の中で、輝かしい1ページを飾ったのが、アプリオシリーズでした。
1993年に発売されたジョグアプリオは、スペックで争っていた原付スクーター業界のなかでは、メットインスペースやフットボードの広さなど、どちらかといえば実用性にウェイトをおいたモデルというポジションからスタートしました。
当時主流であったノーズの尖ったデザインではなく、丸みを持つノーズのフォルムからもそのことが想像できます。
しかし、フロントブレーキがディスク化されたアプリオEX、さらにはシリーズ最高の出力を誇るジョグZR系のエンジンを搭載したアプリオタイプⅡが発売され、若者からの支持も集めました。
特にサイドに大きく『Aprio』の文字を配したタイプⅡのデザインはアプリリアを連想させるレーシーさがなんともかっこよかったですね。
個人的な観点では、日本の原付スクーターで最もスタイリッシュなデザインだったと思っております。
しかし、派生元のジョグ同様、ブームは去り、アプリオナチュラル、アプリオとおとなしめなモデルが続き、アプリオは廃盤となりました。
アプリオタイプⅡをお持ちの方は、ぜひきちんと整備しながら、長く乗っていただきたいと願わずにはいられません。
まとめ
今回はヤマハのスクーター、アプリオの買取相場とその歴史についてご説明してきましたが、まとめますと、
- 年式の新しいSA11Jは高めの査定額が期待できる
- 年式が古くても、人気のあるアプリオタイプⅡならば高めの査定額が期待できる
ということになります。
50ccスクーターには日本のバイク業界の歴史が詰まっています。
あなたが乗っているスクーターがどんな歴史を持っているのか、一度調べてみるのも面白いかもしれませんよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※本文中の買取価格は全て税込価格です。