バイク保険の等級制度とは?引き継ぎの仕方や保険料との関係について解説します

自動車を所有しておらず、初めて任意保険に加入する人には「等級」というのはあまり馴染みのない言葉かもしれません。

  • バイク保険の等級って何?
  • 等級制度について知りたい
  • バイク保険の等級は保険料とどう関係するの?
  • 良い等級で保険に加入するにはどうすればいい?

このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、

  • バイク保険の等級とは
  • 新規の保険契約は6等級スタート
  • 事故でバイク保険を使用すると等級が下がることについて
  • 等級による保険料の割引率について
  • 等級の引き継ぎについて
  • 等級を引き継ぐ際のポイント
  • 125cc以下のバイクであればファミリーバイク特約に加入することができる

などについて解説をしています。

バイク保険の等級制度について知りたい人や、等級の引き継ぎについて知りたい人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

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目次

バイク保険の等級とは

バイク保険の等級とは「ノンフリート等級別料率制度」のことです。

等級は1〜20等級まで設定されています。

保険料は等級制度やその他条件によって決まり、等級は事故歴によって決まります。

保険制度の公平さを保つため、事故のリスクが高い人ほど、等級が低く保険料が高くなる仕組みです。

ノンフリートとは9台以下の契約のことです。
10台以上の契約はフリート契約となり、保険料の算出方法が異なります。

新規の保険契約は6等級からスタートする

初めてバイク保険に加入する場合、新規保険契約は6等級からのスタートです。

1年間、事故で保険を使用せずに過ごすことができれば、翌年の等級は上がり、保険料が安くなります。

等級の数字が上がるほど、事故リスクが少ないと判断されるので、保険料の割引率が上がります。

事故でバイク保険を使うと等級はどうなる?

事故でバイク保険を使用すると、等級はどうなるのでしょうか?

保険を使用すると等級は下がる

事故でバイク保険を使用すると、等級は下がります。

保険を使用する内容により、3等級下がるケースと1等級下がるケースがあります。

イレギュラーな状況の場合は、保険会社への確認が必要です。

3等級ダウン事故と1等級ダウン事故、それぞれの例をご紹介します。

3等級ダウンの例

対人事故、対物事故、車両損害事故により、対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険を使用する場合は、3等級下がります。

3等級ダウン事故の例
  • バイクで人との接触事故を起こし相手に怪我をさせてしまったため、対人賠償保険を使用した
  • バイクで物損事故を起こしてしまい双方の車両が損傷を受けたため、対物賠償保険と車両保険を使用した
  • バイクで自損事故を起こしてしまい、車両保険を使用して自分のバイクを修理した

1等級ダウンの例

契約車両が自然災害(台風、竜巻、洪水等)で車が被害を受けた場合や、飛来物や落下物による被害で車両保険を使用する場合は、1等級下がります。

1等級ダウン事故の例
  • 台風被害によりバイクのボディがへこんでしまったため、車両保険を使用して修理をした

等級が下がらないケースもある

保険の使用項目によっては、等級が下がらないケースもあります。

  • 人身傷害保険のみの使用
  • 搭乗者傷害保険のみの使用
  • 弁護士費用特約のみの使用

上記の内容のみを使用した場合は、基本的に等級は変わらず使用することができます。

ただし、詳細については必ず保険会社に確認をしてください。

事故で保険を使用すると等級が下がる+事故有係数が加算される

事故で保険を使用すると、等級が下がるのに加えて、事故有係数が加算されます。

事故有係数とは、事故で保険を使用した場合に適用される係数のことです。

同じ等級でも、事故のあった契約者は無事故の契約者と比べて保険料が割増となります。

事故有係数適用期間とは、事故有係数が適用された割増の保険料が適用される期間のことです。

3等級ダウン事故の場合は、翌年の契約から3年間事故有係数が適用され、1等級ダウン事故の場合は、翌年から1年間事故有係数が適用されます。

上限は6年です。

1年経過すると、事故有経過年数が1年減算されます

等級による保険料の割引率について

等級による保険料の割引率について解説します。

等級と事故有係数によって保険料の割引率が異なります。

同じ等級でも無事故と事故有で割引率が異なるのは、無事故の契約者と事故有の契約者とでは、事故リスクの高さが異なるからです。

バイク保険では、表の割引率を適用し、契約する内容に応じて保険料が算出されます。

等級無事故の場合の割引率事故有の場合の割引率
20-63%-51%
19-57%-50%
18-56%-46%
17-55%-44%
16-54%-32%
15-53%-28%
14-52%-25%
13-51%-24%
12-50%-22%
11-48%-20%
10-46%-19%
9-44%-18%
8-38%-15%
7-27%-14%
6-13%-13%
5-2%-2%
47%7%
338%38%
263%63%
1108%108%
出典:日本損害保険協会

等級の引き継ぎについて

こちらでは等級の引き継ぎについて解説をします。

本来6等級スタートの新規保険ですが、一定の条件を満たせば、等級は「引き継ぐ」ことが可能です。

等級を引き継ぐことができれば、6等級よりも高い等級で契約をスタートすることができます。これは、等級を引き継いだ人だけの特権です。

同じ年齢条件でも、高い等級でスタートをした方が割引率が高くなり、支払う保険料を抑えることができます。

等級引き継ぎのポイント

等級を引き継ぐ際のポイントを4つご紹介します。

  • 配偶者及び同居の親族間でしか等級は引き継ぐことはできない
  • 同一車種間でしか等級は引き継ぐことはできない
  • デメリット等級は事故有係数は引き継がれる

配偶者及び同居の親族間でしか等級は引き継ぐことはできない

等級は、配偶者及び同居の親族間でしか引き継ぐことはできません。

他人同士で引き継ぐことはできないため、友人と一緒に暮らしているので等級を引き継ぎたいと言われても、それは不可能です。

別居の親族への引き継ぎも不可能なので、一人暮らしをしている息子に等級を引き継ぎたくても、引き継ぐことはできません。

別居の予定がある自分の子供に等級を引き継がせたいのであれば、同居をしているうちに引き継ぎの手続きをしておく必要があります。

【引き継ぎができるのは配偶者及び同居の親族間のみ】というポイントは、しっかりと覚えておくようにしましょう。

同一車種間でしか等級は引き継ぐことはできない

等級の引き継ぎは、同一車種間でしか引き継ぐことはできないという決まりもあります。

バイクから車、車からバイクでは、車種区分が違うため、等級を引き継ぐことはできません。

車で育てた等級を、バイク保険で使用したいと思っても、引き継ぐことができないので注意が必要です。

また、同一車種間なので「バイク」でも排気量クラスが異なると、引き継ぎができないケースがあります。

例えば、125ccから400ccへ乗り換えた場合は引き継ぎができません。

その場合は、新規での保険加入となるため、6等級での加入が必要です。

バイク保険の排気量区分
  • 125cc以下の原付や小型二輪
  • 125cc以上の普通自動二輪や大型二輪

デメリット等級や事故有り係数は引き継がれる

事故で保険を何回も使用し、デメリット等級(1〜5等級)になってしまったので、保険会社を変えて新しく6等級で契約しなおしたい、

と思う人もいるかも知れませんが、それは不可能です。

デメリット等級や事故有係数は、原則として13ヶ月間は前契約の等級と事故有り係数が次の契約時に引き継がれるようになっています。

保険会社間では、等級制度を適切に運用するために、運転者の等級情報が共有されています。隠し事はできません。

そのため自分で申告をしなくても、情報が共有されてデメリット等級や事故有係数は引き継がれます。

また、「私は、デメリット等級ではない」など、虚偽の申告をした場合は、告知義務違反になり、追加保険料の請求や強制解約の対象となります。

保険会社に嘘をつくメリットはひとつもありません。

必ず正しい申告をするようにしましょう。

解約から次の契約の始期日に間がある場合は中断証明書が必要

解約から次の契約始期日に間がある場合は、中断証明書が必要です。

例えば、バイクが故障して廃車になり手放すことになった場合、次の納車が2年後など、日にちがあくようであれば、中断証明書を取得する必要があります。

中断証明書とは、解約前の等級や事故情報などが記載された証明書です。

保険契約を継続しなくても保険等級を10年間保存できる制度で、中断証明書があれば次の契約時にその等級から契約することができます。

中断証明書は、保険の解約時に依頼をし、必要書類を提出して発行条件を満たしているようであれば、発行してもらうことができます。

解約後でも依頼をすれば発行してもらえますが、保険会社によって受付期間が異なります。

後から依頼をしようとすると忘れてしまうので、解約時に依頼をするのがおすすめです

125cc以下のバイクならファミリーバイク特約が一番お得

125cc以下のバイクに乗っているのであれば、ファミリーバイク特約を選ぶのが一番保険料を抑えることができます。

ファミリーバイク特約は、自動車の任意保険に付帯することのできる特約です。

125cc以下のバイクの事故で他人を怪我させてしまった場合や、他人のものを壊してしまった場合に賠償費用を補償してもらうことができます。

自分が加入している保険や、配偶者や同居の親族が加入している保険に付帯することができるため、125cc以下のバイクを取得する場合は、ファミリーバイク特約が可能な環境かどうかを調べることをおすすめします。

ただし、ファミリーバイク特約はあくまでも相手への補償のための特約です。

所有しているバイクが高価だったり、プレミアがつく車両で、自分のバイクに車両保険をつけたい場合は、バイク単体でのバイク保険への加入が必要です。

その場合は、6等級で新規契約を結ぶことになります。

まとめ:保険にはきちんと加入をし、もしもの事態に備えよう

バイクの保険は、等級制度により運用されていることがわかりました。

保険はもしもの場合の備えです。

自分がどれだけ気をつけていても、事故に遭うことがあります。

車両が動いている限り基本的には過失が発生し、その事案がスムーズに解決するとも限りません。

あまりにも双方の意見が食い違って解決しない場合は、弁護士に依頼をして裁判になることもあります。

任意保険に加入していない場合、全て自分で対応し賠償金額を用意して支払わなければなりません。

対人の事故で相手に後遺症が残ってしまったり、亡くなってしまった場合は、賠償金額が高額になるケースも多く認定されています。

「もしも」事故に遭った場合のためにも、保険にはきちんと加入をして、もしもの事態に備えるようにしましょう。

保険の備えは、バイクなど乗り物に乗る人のマナーです。

きちんと保険に加入をして、万が一の事故に備えるようにしましょう。

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