もう乗らなくなったバイクや、動かないバイク、そんなバイクを処理するにあたって、バイク買取業者に売却するというのは非常にメジャーな方法です。
しかし、バイクが事故車の場合はどうでしょうか?
事故に遭ってフロントが大破したバイクをなんとか家まで引き上げてきたけれど…というようなバイクも買取ってもらうことができるのでしょうか?
今回は、バイクの事故車とその買取についてご説明したいと思います。
事故車のバイクは買取可能?
結論から申し上げますと、事故車のバイクも買取は可能です。
しかし、状態によっては買取ができないバイクもあります。
また、バイク買取業者によって対応も異なります。
では、どのような状態ならば、事故車のバイクを買取ってもらえるのでしょう。
買取可能な事故車のバイク
基本的にバイク買取業者はお客様から買取ったバイクを修理・整備して(あるいはそのままで可能なバイクならばそのまま)売却します。
その時の『売却額−買取額』の差額がバイク買取業者の利益になるわけです。
修理や整備が必要な場合は、部品代や工賃がかかりますので、実際の利益は『売却額−買取額−修理等に必要な費用』で残った額となります(もちろん、日々の営業にかかるその他諸々の費用も差し引く必要がありますが、ここでは考え方を示すことが目的なので省きます)。
例えば、ヤマハのR1の事故車をお客様から50万円で買取ったとします。
そのR1を修理して80万円で売却したとします。
これで、バイク買取業者は30万円の利益を得たように見えますが、実は、そのR1が売れるように行った修理で30万円かかったとしましょう。
すると、このバイク買取業者の得た利益は『売却金額80万円−買取金額50万円−修理費30万円』、つまり0円ということになります。
業者としては利益0円の業務はプラスマイナス0ではなく、マイナスですから(その間も従業員の賃金等は発生するので)、なんとしてでも避けなければなりません。
そうなると、お客様からの買取金額を下げざるを得なくなり、上記の例ですと、50万円の買取金額を30万円に下げることになります。
ざっくりと、基本的な考え方をご説明しましたが、修理代がいくらかかるかというのは、外見を見ただけではバイクの専門業者でもなかなか判別するのは難しいです。
そこで次節では、事故車のバイクが買取可能となる傾向についてお話したいと思います。
バイクで最も重要なパーツは?
バイクで最も重要なパーツ、それはズバリ『フレーム』です。
バイクにはエンジンやタンクなど象徴的でクールなパーツがいくつかありますが、重要度で言えばフレームがダントツです。
なぜなら、フレームに修復があると『修復歴有り』になりますが、フレーム以外の部分にどれだけ修復があってもフレームにさえ修復がなければ『修復歴なし』と扱われるからです。
このあたりの詳しいところは以下の記事で詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。
すなわち、事故車でもフレームに損傷がなければ、買取可能なケースがあります。
パッと見はひどい損傷に見えてもフレームは無傷かもしれませんので、センターステムのつなぎ目から順を追って丁寧に点検してみましょう。
ただし、それなりの損傷を伴う事故で、バイクのフレームが無傷というのはなかなか難しいかもしれませんが…
パーツ取りとしての可能性
上で、フレームが無傷ならば事故車のバイクでも買取できる可能性が高いというお話をしましたが、フレームに損傷があっても買取可能なケースもあります。
それは、そのバイクに価値のあるパーツがついているケースです。
いわゆるパーツ取りですね。
損傷していないパーツがいくつか有り、かつ、そのパーツに市場価値があるならば、バイク買取業者はそれらのパーツの合計額の何割かで買取をしてくれるでしょう。
ただし、パーツ取りとして考えた場合、ヤフオクなどで個別に販売したほうが総額は高くなる可能性が高いので、出品の手間やリスクに抵抗がないならば、そちらを視野に入れても良いでしょう。
オークションの利用に関しては、以下の記事で詳しくご説明しておりますので、よろしければご参照ください。
バイクの事故車買取はどこに依頼すべきか
ここまでは、買取可能なバイクの事故車についてご説明してきました。
では次に、バイクの事故車はどこに買取ってもらうのがベストなのでしょうか。
あなたがバイクの購入から、その後のメンテナンスまで同じショップでお世話になっており、そのお店が信用できると判断するならば、そこで買取ってもらう、あるいは下取りしてもらってバイクを買い換えるというのが(その後のことも考慮すると)良いでしょう。
しかし、そうした行きつけのバイクショップが特にないならば、バイク買取業者に依頼するのがおすすめです。
事故車のバイクは自走できませんので、無料で出張査定に来てくれるバイク買取業者だと楽ですよね。
メーカーの正規取扱店まで軽トラックを借りてわざわざバイクを持っていったのに、買取ってくれなかった、あるいは廃車処分料を求められた(実際、正規店では廃車処分料を求める傾向があるようです)などということになったら悲惨ですからね。
出張査定に来てくれるようなバイク買取業者ですと、事故車のバイクでも値段をつけてくれるか、値段はつかなくても廃車処分料無料で引き取ってくれることが多いです(例外ももちろんありますが)。
最悪のケースとして、処分料を求められたら、丁重にお断りすれば良いでしょう。
断られた業者はもちろん嫌な顔をするでしょうが、そんなことを気にしてはいけません。
これは、あなたのバイクの話であり、それをどう処分するかはあなた自身が決定するべきことだからです。
自宅まで出張査定に来てくれる何件かのバイク買取業者に連絡して、各社の査定額を比較検討してから、最も条件の良いところに売却するというのが妥当な手順と言えます。
知っておきたい二輪車リサイクルシステム
ちなみに、バイクを処分したいとお考えの方のために、大手メーカー等が共同で『二輪車リサイクルシステム』というものに取り組んでいます。
まだ乗れるバイクはきちんと評価して、買取→リユース。
もう乗ることができないバイクは引取→リサイクル。
という活動を徹底し、資源としてのバイクを有効活用しようというものです。
このシステムに参加しているのは国内4大バイクメーカーをはじめとする16社で、参加事業者が国内で販売したバイクならば、リサイクル料金は無料です(運搬費用、廃車登録代行費用などは発生する可能性があります)。
そして、このシステムを支えるのが、環境大臣の指定により廃棄物として二輪車を広域的に収集/運搬することのできるバイクショップ、『廃棄二輪車取扱店』です。
廃棄二輪車取扱店は社会的責任を担っているので、公正な取扱を期待することができます。
以下の公式ホームページから、お住まいのお近くの廃棄二輪車取扱店を検索することができますので、バイクの事故車買取の際の選択肢にご検討されてはいかがでしょうか。
まとめ
ここまでの内容をまとめますと、以下のようになります。
- 事故車のバイクは買取可能である
- 事故車のバイクの買取金額は、修理費を見込んで下げられる
- フレームが無傷ならば、そのバイクに修復歴はつかない
- 需要のある車種ならば、パーツ取りとしても買取可能
- 事故車のバイク買取はバイク買取業者に依頼するのがおすすめ
- 二輪車リサイクルシステムを利用しよう
いかがでしたか?
特に二輪車リサイクルシステムについてはまだあまり知られておりませんが、是非ライダーの皆様にはご利用いただきたいところです。
ちなみに、僭越ながら私どものショップであるバイク買取番長も、廃棄二輪車取扱店の指定を受けておりますので、京都・滋賀地域にお住まいでバイクの買取をご検討されている方は、お気軽にお声掛けください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。