バイクの売買や名義変更の際には所定の手続きが必要です。
それぞれの手続きを行うにあたっては、手続き毎に必要な書類を揃えなければなりません。
そしてバイクを廃車するときにも同様のことが言えます。
しかし、バイクの廃車をするケースでは、バイクを一定期間所有した後の手続きになることが想定されますので、必要書類を紛失していることが少なからずあるようです。
今回は、そうしたバイクの廃車手続きに必要な書類を紛失してしまった場合の対処をご紹介したいと思います。
バイクの廃車とは
バイクの廃車ときくと、スクラップをイメージしてしまいがちですが、実は廃車=スクラップではありません。
廃車というのは、そのバイクが登録されている情報を抹消するということであり、バイクの物理的な状態とは関係ないのです。
また、廃車の手続きには2種類あります。
バイクを一定期間使用しない、あるいは人に売ったり譲ったりするために自分の名義を抹消するときに行う廃車手続きを一時抹消といいます。
一方、回復困難な故障等で、今後バイクを使用する見込みがないというときなどに行う廃車手続きを永久抹消といいます。
それぞれの廃車についての手続きや注意点などを以下の記事で詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。
バイクの廃車に必要な書類
バイクを廃車しようとするときに必要な書類は、まず、排気量が250ccを超えるバイクなら車検証、125ccを超えて250ccまでのバイクなら軽自動車届出済証、125cc以下のバイクなら標識交付証明書です。
それに加えてナンバープレート、あと、手元にあるならば自賠責保険証明書も持参すると安心です。
これと認印(ゴム印不可)があれば、各窓口で必要書類を記入して申請すればオッケーです。
しかし、この記事を読んでくださっている方の多くは、おそらくそれらの必要書類のどれか、あるいはいくつかを紛失されていることかと思われます。
そこで、以下では紛失した書類ごとの対処をご紹介していきたいと思います。
車検証(軽自動車届出済証、標識交付証明書)を紛失したら
まずは、車検証等を紛失したケースについて、排気量別にお話させていただきます。
排気量125cc以下のバイク
まず、排気量125cc以下(原動機付自転車)のバイクについてですが、手続きする場所はナンバープレートを管轄する市区町村役場となります。
近所にある小さな支所などでも案外手続きできることもありますので、お住まいの地域のホームページなどでご確認ください。
さて、排気量125cc以下のバイクだと、廃車手続きの際に標識交付証明書が必要となりますが、それを紛失してしまったらどうすればよいか。
実は、特に何かをする必要は有りません。
標識交付証明書以外の上記の必要書類等を窓口に持参し、標識交付証明書を紛失してしまった旨を告げ、必要事項を記入すれば手続きは完了です。
排気量125ccを超えて250cc以下のバイク
排気量がこの大きさのバイクを軽二輪と呼びます(手続き上の区分であり、免許区分とは異なります)。
軽二輪の廃車手続きはナンバープレートを管轄する運輸支局(いわゆる陸運局)で行います。
軽二輪の場合も窓口で軽自動車届出済証を紛失した旨を伝えると係員から必要書類を渡され、記入し、提出すれば完了です。
運輸支局の内部的な問題ではありますが、このケースでは、軽自動車届出済証を再発行した上で廃車という取扱になりますので、記入する書類が1枚増えることになります。
しかし、こちら側としては特に何かを用意したりする必要は有りませんので、やはり、上記の必要書類のうち、軽自動車届出済証以外を持参して運輸支局の窓口に行けば問題有りません。
排気量250ccを超えるバイク
排気量が250ccを超える(『以上』ではなく『超える』です。念のため)バイクは小型二輪と呼ばれます。
したがって、例えば排気量が1200ccのバイクも小型二輪になります。
小型二輪は車検もあるくらいだから、廃車手続きも軽二輪のときとは異なるのかというと、特に変わり有りません。
上記の軽二輪のケース同様、車検証以外の必要書類を持参して、運輸支局の窓口で車検証を紛失した旨を伝えれば、あとは言われるがままに進めていけば、自然と手続きは完了します。
ナンバープレートを紛失したら
上記で、バイクの車検証等を紛失した場合の廃車手続きについてご説明しました。
車検証をなくしたからと言って何も面倒なことはないとわかって安心されたのではないでしょうか。
しかし、ナンバープレートを紛失した場合は事情が異なります。
ナンバープレートを紛失したら、その旨を運輸支局や市区町村役場の窓口で伝えるだけでは、残念ながら廃車手続きはできません。
廃車手続きをしようとしているバイクの排気量にかかわらず、ナンバープレートを紛失してしまったら、最寄りの警察署に行って届出をしなければなりません。
警察署で届出をすると受理番号というものがもらえます。
ここからはバイクの排気量によって少し対応が異なります。
排気量125cc以下のバイク
警察署で届出をし、受理番号をもらったら、その他の必要書類を持参して市区町村役場の窓口に行きます。
窓口でもらう申請書類に受理番号等を記入する欄がありますので、そこに書き込めばオッケーです。
排気量が125cc以下のバイクの廃車に関しては、市区町村によってその対応や申請書類の書式が異なりますので、事前に確認しておくほうが良いでしょう。
排気量125ccを超えて250cc以下のバイク
軽二輪の場合は、理由書という書類が必要になります。
この理由書に、警察署でもらった受理番号、経緯、警察署名、届出者、届出日などの必要事項を記入し、その他の必要書類とともに運輸支局の窓口に提出すれば廃車手続きができます。
排気量250ccを超えるバイク
小型二輪も軽二輪のケースと同様です。
理由書を作成し、運輸支局に提出しましょう
以下に理由書のダウンロードリンクをご用意しておきますので、よろしければご利用ください。
車検証もナンバープレートもない故に気をつけたいこと
今回は車検証もナンバープレートもともに紛失してしまったケースを想定しておりますので、一つ注意したいことがあります。
それは、上の必要書類の項目でもチラッと書きましたが、ぜひ自賠責保険証明書を持参することおおすすめするということです。
なぜなら、窓口で申請書類を記入する際に、ナンバープレートも車検証等もなければ、少々困ったことになるからです。
通常、バイクの廃車の申請書類は車検証をもとにして記入します。
車検証がなくても、ナンバープレートがあれば、少なくともナンバーは書けます。
しかし、車検証もナンバープレートもないと、何も書けなくなってしまうのです。
そうなると、運輸支局としても申請を受け付けない可能性が出てきてしまうのです。
そこで、自賠責保険証明書が役に立つというわけです。
自賠責保険証明書にはナンバー(車両番号)や車体番号が掲載されていますからね。
もし、自賠責保険証明書もないということならば、バイク本体を見て、車体番号や型式、原動機の型式などをメモして行くと良いでしょう。
運輸支局でのティップス
必要書類を揃えて、いざ運輸支局に着いてみたらなんと、印鑑を忘れてしまった…よくあることです。
家まで取りに帰るには距離が遠すぎるし、近所にダイソーもなさそうだ、せっかく平日の休みを使って来たのに、今日の手続きは諦めるしかないのか、というときにちょっといい話があります。
運輸支局内には売店があって、いろいろなものが売っています。
そのラインナップの中には印鑑も含まれているのです(すべての運輸支局で販売しているかは定かでは有りませんが、私がよく行く滋賀と京都の運輸支局にはあります)。
お値段は100円とは限りませんが(京都はたしか200円だったと思います)、運輸支局の手続きが平日の日中にしかできないことを考えると、この売店は非常に便利な存在です。
頭の片隅にこのことをとどめておくと、お役に立つかもしれませんよ。
まとめ
ここまで、ナンバープレートや必要書類がないバイクの廃車手続きについて書いてきましたが、まとめると以下のようになります。
- バイクの廃車手続きは基本的にナンバープレートと車検証等があればできる
- 車検証等をなくしても、窓口でその旨を伝えればオッケー
- ナンバープレートをなくしたら、事前に警察者への届出が必要
- 車検証等もナンバープレートもないなら自賠責保険証明書を持参しよう
- 自賠責保険証明書もないならバイク本体から車体番号などの情報を集めよう
- 印鑑を忘れても運輸支局で買うことができる
この記事の情報が皆様のバイクの廃車手続きに少しでもお役に立てましたら幸いです。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。