バイクを維持するには様々な費用がかかります。
軽自動車税・重量税などの税金、日々のガソリン代、メンテナンス代などなど。
なかでも、バイクを維持するにつけ、とりわけ費用のかかるのが車検でしょう。
排気量が250ccを超えるバイクには車検が義務付けられています。
バイクの車検が切れてしまったときの選択肢の一つとして廃車にするというものがあります。
今回は車検切れのバイクと廃車の関係についてご説明したいと思います。
車検切れのバイクは廃車可能?
まず第一に、車検切れのバイクを廃車にすることはできるのでしょうか?
結論から言いますと、車検切れのバイクでも廃車は可能です。
廃車というと、事故などで不動車となってしまったバイクを解体(スクラップ)することをイメージしがちです。
もちろん、解体を伴う廃車もあるのですが、解体=廃車というわけではありません。
実は、廃車というのは運輸支局で行う書類上の手続きであり、バイクが走れる状態か、解体されているかなどは関係ありません。
運輸支局で廃車手続きを行えば、ピカピカのバイクでも廃車ですし、廃車手続きがまだならば、バラバラになってしまったバイクでも廃車ではありません。
そして廃車手続きには、バイクの車検が切れている/切れていないは関係ありません。
具体的なバイクの廃車手続きに関しては、以下の記事でご紹介していますので、ご参考まで。
車検切れのバイクを廃車にするメリット
よくある勘違いなのですが、バイクの車検が切れると税金(軽自動車税)も掛からなくなると思ってる方がいらっしゃいます。
残念ながら、たとえ車検が切れていても、ナンバープレートがついている限りそのバイクは課税対象となります。
なお、税自動車税の課税の基準日は4月1日なので、4月1日時点でナンバープレートがついていると、5月初旬には納付書が送付されてきます。
4月1日以降にバイクの名義を他の人に変更したり、廃車したりしても、税金の支払いを免れることはできません。
ですから、しばらくバイクに乗る見込みがないようならば、廃車手続きをしておく方が良いと言えるでしょう。
とりあえず、廃車しとく方が良さそうだね!
車検切れのバイクは必ず廃車にしなければならない?
では逆に、バイクの車検が切れてしまったら、必ず廃車にしなければならないのでしょうか?
いいえ、車検が切れてしまったからと言って、そのバイクを必ず廃車にしなければならないわけではありません。
廃車は、バイクの車検が切れてしまったときの選択肢の一つに過ぎません。
では、他にどのような選択肢があるのでしょうか?
車検が切れたバイクをそのまま放置
まず一つ目の選択肢として、「そのまま放置」があります。
車検が切れたバイクをなんの手続きもせずにそのまま所有してるとまずいのではないかという質問をたまに見かけますが、なんの問題もありません。
しかし、法的にはなんの問題もないのですが、駐車スペースや保管状態の問題、そして何より税金の問題があります。
したがって、車検切れのバイクをそのまま放置しておくことはあまりお勧めしません。
法律上の問題がないとはいえ、まあ悪手だよね
車検切れのバイクを放置することのリスクに関しては、以下の記事で詳しくご説明していますので、ご参照ください。
人に譲る
2つ目に、有償、あるいは無償で知人や友人などに譲るという手もあります。
個人売買やネットオークションで売却するというのもここに含まれます。
バイクの車検が切れていても名義変更は問題なくできます。
このときにご注意いただきたいのが、車検切れのバイクは公道を走れないということです。
バイクが車検切れのまま公道を走ると、6点減点で30日間の免許停止となります。
ですから、名義変更をしようと運輸支局まで車検切れのバイクに乗っていくなどということは絶対にしてはいけません。
市区町村役場で仮ナンバーを交付してもらうか、トラックなどに積んで運ぶかということになると思います。
仮ナンバーの取得方法などに関しては、以下の記事をご参照ください。
バイク買取業者に買取ってもらう
3つ目として、バイク買取業者に買取を依頼するという方法があります。
車検が切れていたら買取業者はバイクを買取ってくれないのではないかと思う方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。
車検が切れているバイクでも買取業者は問題なく買取ってくれますよ。
あと、車検が切れていると査定額が下がるのではないかという疑問もあるようですが、実際のところほぼ変わりません。
車検が査定額に影響を与えるとしたら、車検期間がたっぷりと残っている場合に、ちょっとだけ査定額が上がる可能性があるという程度のものです。
バイク買取業者に依頼することのメリットは、さきほどお話した運搬の問題を心配しなくて良いところです。
出張買取をしてもらえば、バイクを家から全く動かすことなく引き取ってもらうことができ、名義変更などの手続きも無料で代行してくれることがほとんどです。
ただし、ネットオークションなどでうまく売ることができれば、買取業者に買取ってもらうよりも高値で売ることができますので、手続きや運搬に自信のある方はネットオークションなどで売るほうがいいかもしれません。
ネットオークションでのバイクの売却について、以下の記事でご説明しておりますので、ご参照ください。
しかし、運輸支局での手続きは平日の日中しかできませんし、バイクを運搬できるトラックを持っているという方もそんなに多くないと思いますので、そのあたりが面倒だと思われる場合は、買取業者に依頼するほうが手軽でおすすめです。
廃車には種類があるの?
ここまでバイクの廃車についてご説明してきましたが、廃車はその目的によって2種類に分かれています。
以下でそれぞれの廃車について見ていきたいと思います。
一時抹消とは?
バイクの車検が切れてしまったが、しばらくは乗りそうにないので一旦登録を抹消しておこう、というケースがあります。
こうしたケースに取られる手続きが一時抹消というものです。
その名のとおり、一時的な抹消ですから、時が経ってもう一度バイクに乗ろうと思ったときには、そのバイクを再度車検に通して乗り出すことができます。
また、一時抹消の手続きを踏むことで、その期間の軽自動車税を払わなくて済むので、一時抹消はとても有効な手続きです。
永久抹消とは?
バイクの車検が切れたが、それ以前から長期間放置しており、エンジンはかからないし、かなり傷んでいるので解体処分してしまおう、というようなケースに行われる手続きが永久抹消です。
解体を伴うので、永久抹消のほうが一般的な廃車のイメージに近いのではないでしょうか。
以上のように、もう一度乗る予定があるなら一時抹消、もう乗らないならば永久抹消というようにご理解いただいて差し支えありません。
ここで、永久抹消に関してよくあるご質問をご紹介しておきます。
それは、バイクの解体に関して、廃車手続きの前にしなくてはならないのか、後でもいいのか、という質問です。
結論から言いますと、どちらでも大丈夫です。
四輪に関しては、永久抹消の手続きをする前に解体業者に解体してもらい、移動報告番号というものを取得しないといけないので、その情報と混同されているところがあるのかと思います。
しかし、バイクにはこの移動報告番号を取得する義務自体がないので、バイクの解体そのものは永久抹消手続きの前でも後でも構わないということです。
永久抹消する機会はあまりなさそう…
解体にかかる費用は?
前項でお話した永久抹消に係るバイクの解体ですが、これは解体業者にお願いすることになります。
その費用は、業者によってまちまちのようですが、1万円から2万円くらいが相場のようです。
また、バイクを自宅まで引き取りに来てもらうと引取費用が発生することもあるようです。
引取費用に関しては、バイクの駐車場所と業者の住所との距離によりますので一概には言えませんが、1万円程度かかることが多いようです。
つまり、解体業者にトータルで2万円から3万円払うことになるわけです。
こうした解体業者に支払う費用を無料にできる、あるいは逆にお金をもらえるかもしれない方法があれば嬉しいですよね。
別に怪しい話ではありませんよ。
車検切れのバイクの処分方法のところでも少し書きましたが、バイク買取業者に買取ってもらうのです。
永久抹消するようなバイクだから買取業者は引き取ってくれないのではないかと思われるかもしれませんが、事故で折れ曲がってしまったようなバイクでも無料で処分してくれることがあるので、運輸支局に行って廃車手続きをする前に、一度バイク買取業者に相談してみることをおすすめします。
バイクの廃車費用を無料にする方法については、以下の記事で詳しくお話しているので、ご参照ください。
車検切れのバイクを廃車出来ないケース
冒頭で車検切れのバイクは廃車できるとご説明したのですが、例外もあります。
廃車手続きのできないバイク、それは…
所有権が留保されているバイクです。
簡単に言うと、所有者の名義が使用者(あなた)と異なる登録(バイクショップ等)になっているバイク、と言うことになります。
使用者が自分でも、登録上の所有者は別の人ってことだね!
ケースとしては、
- ローン残債が残っているケース
- ローンは完済しているが、バイクショップ等の所有権の登録が残っているケース
の2通りが考えられます。
ローン残債が残っているケースだと、完済してから改めて廃車手続きということになります。
ローンを完済しているケースなら、ローン会社に連絡して完済証明書を発行してもらい、それをバイクショップに提示して所有権を解除してもらってから、廃車手続きという流れになります。
まとめ
以上、車検切れのバイクと廃車の関係についてお話ししてきましたが、ここまでの内容をまとめますと、以下のようになります。
- 車検切れのバイクでも廃車は可能
- 車検切れのバイクを廃車にすれば税金を節約できる
- バイクの車検が切れたからといって廃車にしなくてもよい
- 廃車には一時抹消と永久抹消がある
- 永久抹消だと解体の費用が2万〜3万円必要
- バイク買取業者に買取ってもらえば廃車費用を節約できる
- バイクショップなどの所有権が留保されているとバイクを廃車出来ない
私どもバイク買取番長では、事故車、不動車、書類なし、鍵無しなど、どんな状態のバイクでも出張買取に伺います。
京都・滋賀・大阪地域にお住まいで、バイクの廃車をご検討されている方は是非一度ご相談ください。
それでは、最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。