プロが解説!バイク廃車するときの税金に関する疑問・注意点

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バイクを廃車したら税金はどうなるの?

バイクを新たに購入したり、車検を通したり、毎年4月になったり、様々な機会で我々ライダーに降り掛かってくるのが税金です。

では逆に、もうバイクに乗らない、すなわちバイクを廃車にしたら、税金の取扱はどのようになるのでしょうか?

すでに支払った期間の税金は還付されるのか、廃車にするタイミングによって支払うあるいは還付される税金に差はあるのか、などバイクの廃車と税金の関係についてご説明したいと思います。

バイクの廃車は3月にしたほうが税金が得になる?

バイクを廃車にするならば、3月にしたほうがお得、というような情報を耳にしたことはないでしょうか。

本当に廃車は3月にしたほうがお得なのでしょうか?

これはある意味で正しく、ある意味で間違っています。

バイクの所有者に課される軽自動車税は、その年の4月1日時点での所有者に対して課される税金です。

したがって、3月中に廃車にしてしまえば、4月1日を迎えても、軽自動車税を課されることはないという意味では、上記の説は正しいと言えます。

一方、例えばある人がある年の10月に、もうバイクに乗らないから廃車にしようと考えたとします。

この人物が翌年の3月まで廃車のタイミングを遅らせるメリットがあるかと言えば、特にありません。

そういう意味では、上記の説は間違っていると言えます。

以上のことから、バイクの廃車は、バイクを廃車にしようと思ってから最も近い4月1日までに行うべき、と言えるでしょう。

バイクを廃車したら税金は還付されるの?

これもよく聞かれる質問ですが、結論から言ってしまうと軽自動車税は還ってきません。

小型二輪(排気量250ccを超えるもの)の重量税は還ってきますが、条件が2つあります。

まず、廃車の種類が永久抹消であることです。

廃車には永久抹消と一時抹消の2種類があり、重量税が還付されるのは永久抹消の手続きをとったときだけです。

永久抹消と一時抹消については以下の記事で詳しくご説明しておりますので、ご参照ください。

そして、重量税還付のためのもう一つの条件が、支払い済残存期間が1ヶ月以上あることです。

重量税は月割で還付され、1ヶ月未満の期間は切り捨てで計算されるので、支払い済期間が1ヶ月以上残っていないと、還付金額がゼロになってしまいます。

バイクの重量税はそもそもそれほど高額ではないので、還付金額もたいしたことはありませんが、もらえるものならもらうに越したことはないので、上記2つの条件に該当する方は、永久抹消手続きを行う際に同時に重量税の還付手続きをとりたい旨を運輸支局の窓口で伝えましょう。

バイクの廃車は税金未納でもできる?

そもそも税金を納めることはバイクに乗るものの義務ですから、税金が未納であること自体が問題といえば問題なのですが、人生には何があるかわかりませんので、極めて特殊かつ個人的な理由からやむをえなく税金未納の状態に陥ってしまうこともあるでしょう。

そうしたときに、バイクの廃車をしようとしたら、まずはじめに税金を納めてしまってからでないと、廃車はできないのでしょうか?

はっきり言ってしまうと、税金が未納でも廃車は何ら差し支えなくできます。

ただし、勘違いのないように申し上げておきますが、廃車をしてもそれ以前に発生した税金を支払う義務は消えません。

ですので、税金が未納でもバイクの廃車はできる、というよりも、税金を納める『前でも』バイクの廃車はできる、というのが正確なところですね。

バイクの廃車は税金対策になる

ここまで読み進めていただいた方は、お察しかと思いますが、バイクの廃車は税金対策になりうるのです。

あまり現実的ではありませんが、4月2日にバイクを購入して、翌年の3月31日に廃車(一時抹消)にして、4月2日に再度登録…というのを繰り返せば、原理的には軽自動車税を払わずにバイクに乗り続けることができます。

現実的ではない、と言ったのは、手続きの手間に比べて得るものが小さすぎるからです。

軽二輪で3,600円、小型二輪で6,000円の軽自動車税を節約するために行う作業としては煩雑すぎます。

まして、小型二輪は車検の問題もありますので、上記の節税方法は不可能と言うか、余計にコストがかかるでしょう。

じゃあなぜこのような話をしたかといいますと、こうした知識を得ておくことで、よりバイクを身近に感じることができるからです。

乗らないバイクに税金を払い続けている方というのは結構いるものです。

なんとなくバイクに乗らなくなって、なんとなくそのまま放置しているというパターンが多いようです。

しかし、事前に廃車や税金の基本的な知識を知っていれば、最近バイクに乗ってないからひとまず一時抹消しておこうか、といったことを検討できるようになります。

ライディングテクニックやメンテナンスの知識はもちろん重要なものですが、バイクに乗る者として、法律的な手続きや税金について知っておくこともバイクライフの一部だと私は考えております。

まとめ

以上、今回の記事ではバイクの廃車と税金の関係についてご説明してきましたが、まとめると以下のようになります。

  • バイクを廃車にするなら直近の4月1日までが税金上はお得
  • バイクを廃車にしても軽自動車税は還ってこない
  • 小型二輪(250cc超)を永久抹消すると重量税は還ってくることがある
  • 税金未納でもバイクの廃車はできるが納付義務を免れるわけではない
  • ライダーならバイクの手続きや税金についても知っておくべき

バイクに乗ったりいじったりするのに比べて、手続きや税金の話は極めて退屈なものですが、避けては通れないものでもあります。

しかし、一通り知ってしまえば思うほどややこしいものではありませんし、他の記事でもバイクの手続きについていろいろとご説明しておりますので、お時間があるときにでも、一度お目通しくだされば幸いです。

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