バイクを所有していると避けては通れない、エンジンオイル交換。
- そもそもエンジンオイルの交換ってなぜ必要なの?
- エンジンオイルはどれくらいの頻度で変えればいいんだろう?
- エンジンオイルはどうやって選べばいいの?
このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では
- バイクのエンジンオイル交換の必要性
- バイクのエンジンオイル交換の頻度
- エンジンオイルの種類
- エンジンオイルの粘度表記について
- バイク用エンジンオイルの規格
- バイクのエンジンオイルを選ぶ前に確認しておくこと
- バイクのエンジンオイルの選び方
- 化学合成油は旧車にも使える?
- 4ストバイクにおすすめのエンジンオイル
について解説しています。
バイクのエンジンオイル交換について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
バイクのエンジンオイル交換はなぜ必要?
そもそも、バイクのエンジンオイル交換はなぜ必要なのでしょうか。
それは、エンジンオイルがバイクのエンジンを円滑に動かすための重要な役割を担っているからです。
エンジンオイルには主に5つの役割があります。
- 潤滑:エンジン内部の金属同士の摩擦を軽減する潤滑油としての役割
- 冷却:エンジンから発生した熱を吸収して必要以上の加熱を防ぎ放熱冷却する役割
- 密封:エンジン内のピストンリングとシリンダー内の機密を保ち爆発や圧縮ガスの吹き抜けを防ぐ密封の役割
- 清浄:エンジン内部に発生するスラッジや鉄粉などを洗浄する役割
- 防錆:エンジン内部の金属表面に膜を作り水分が触れないようにしてサビの発生を防ぐ役割
一番メジャーなのは潤滑油としての役割ですが、エンジンオイルは、潤滑の他にも、冷却、密封、清浄、防錆などの重要な役割を担っています。
エンジンオイルを交換せずに乗り続けると、この重要な5つの役割を行えなくなってしまい、エンジンが故障してしまいます。
バイクが元気に走り続けるためにも、エンジンオイルの交換は定期的に行う必要があります。
エンジンオイル交換の頻度
エンジンオイルの交換は、どのくらいの頻度で行えばいいのでしょうか?
まずは、バイクの取扱説明書を確認しましょう。
取扱説明書には、その車種に推奨されているエンジンオイルの交換時期が記載されています。
取扱説明書が車載されていない場合は、一般的なオイル交換時期を参考にします。
一般的に、通常の乗り方であれば、バイクのエンジンオイル交換は「半年、または3,000〜5,000km」での交換が推奨されています。
交換時期に迷うのであれば、3,000〜5,000kmで交換を行うようにしましょう。
なぜ、距離だけでなく「半年」と推奨されているのか気になりますよね。
それは、エンジンオイルは、乗っていなくても劣化するからです。
距離だけの目安だと、あまり乗らない人は数年間オイル交換をしない状態になってしまいます。しかし、乗っていなくても、オイルは経年により劣化します。
走行距離が少ない人は、距離ではなく、経年判断で、半年に一度はエンジンオイル交換をするようにしましょう。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルには主に3つの種類のオイルがあります。
化学合成油
化学合成油は、不純物を可能な限り取り除いた純度の高いオイルです。
原油を化学分解して合成したもので、耐熱性や耐摩耗性に優れています。
3種類の中では一番高価なオイルです
部分合成油
部分合成油は、化学合成油と鉱物油を混ぜたものです。
双方のデメリットを補うように混合されています。
価格も、化学合成油と鉱物油の中間ぐらいの価格帯となります。
鉱物油
鉱物油は、原油を蒸留して精製した昔ながらのエンジンオイルです。
3種類のなかでは一番お手頃な価格で購入することができます。
現在は低燃費オイルの需要が高いため、最近では採用頻度が減ってきているエンジンオイルの種類です。
エンジンオイルの粘度
エンジンオイルの粘度はSAE規格で表記されています。
近年主流のマルチグレードのオイルは「◯W-△△」と表記をされ、◯Wの丸の中には「低温時の粘度」、△△の三角の中には、高温時の粘度が記されます。
◯Wの「W」は、冬=Winterの略です。
0W-20や、10W-40などと表記されます。
数字が小さいほど粘度が低く、数字が大きいほど粘度が高くなります。
低粘度のオイルのほうがサラサラなため、低燃費オイルは「サラサラなオイル」、高粘度オイルは「かたいオイル」と表現されることもあります。
シングルグレードのオイルはSAE◯◯と表記をされ、数字がひとつしか記されていないのが特徴です。
油温が100℃のときのオイルの粘度が記されています。
旧車やハーレーに指定されることの多いオイルです。
推奨されるエンジンオイルの粘度は車種ごとに違うため、必ず取扱説明書に乗っている推奨オイルの情報を確認するようにしましょう。
バイク用エンジンオイルの規格について
バイク用のエンジンオイルの規格についてご紹介します。
JASO規格
JASO規格は、日本自動車規格によって定められたエンジンオイルの規格です。
2サイクル用オイルの場合は、潤滑性、清浄性、排気煙性能、排気系閉塞性を測定し、結果によってFB、FC、FDのグレードに分類されます。
FB⇒FC⇒FDの順に性能が高くなります。
FCグレードはFBグレードに比べて排気煙、排気閉塞性に優れたロースモークタイプとして位置づけられ、FDグレードはFCよりも高温時における清浄性能を向上させたものです。
二輪4サイクル用オイルの場合は、動摩耗維持指数(DFI)、静摩耗維持特性(SFI)、制動時間指数(STI)を測定し、結果によってMA、MA2、MA1、MBに分類されます。
- MA:高い摩擦特性をもちせん断性が高いためMT車に使用される
- MA2:MAの摩擦特性の範囲内で粘度を高めにしたもの
- MA1:MAの摩擦特性の範囲内で粘度を低めにしたもの
- MB:低い摩擦特性で湿式クラッチのないスクーター専用オイル
API規格
API規格とは、米国石油協会(API)、アメリカ材料試験協会(ASTM)、アメリカ自動車技術者協会(SAE)が定めた規格です。
SAからSNまでのグレードがあり、品質によってAPIマークに表記をされます。
取扱説明書に、推奨のJASO規格やAPI規格が書いてあることが多いよ!
一度確認してみよう!
エンジンオイルを選ぶ前に確認しておくこと
エンジンオイルを選ぶ前に確認しておくことは主に2つあります。
- まずは4ストエンジンか2ストエンジンかを確認しておく
- 適正オイル粘度を確認しておく
まずは4ストエンジンか2ストエンジンかを確認する
まずは4ストエンジンか2ストエンジンかを確認しましょう。2ストロークエンジンか4ストロークエンジンかによって選ぶべきオイルの種類が異なります。
それぞれ専用のオイルを入れなければならないため、必ず確認しておくようにしましょう。
適正オイル粘度を確認する
つぎは、適性なオイル粘度を確認します。
取扱説明書やオーナーズマニュアルのメンテナンスページに記載があるためチェックしてみましょう。
エンジンオイルは、適正な粘度のものを入れないとエンジンが故障してしまうおそれがあります。
推奨オイルの粘度は、事前に調べておく必要のある項目です。
エンジンオイルの選び方
こちらでは、エンジンオイルの選び方をご紹介します。
- エンジンオイルの種類で選ぶ
- コストパフォーマンスで選ぶ
- 使用方法で選ぶ
エンジンオイルの種類で選ぶ
エンジンオイルを選ぶ際は、オイルの種類で選んでみましょう。
エンジンオイルには、3つの種類があります。
- 化学合成油
- 部分合成油
- 鉱物油
一番おすすめなのは化学合成油です。低燃費オイル適用車はもちろんのこと、旧車などにも使用することができます。
どれを選べばいいか迷ったときは、化学合成油や部分合成油に絞って選んでみるのもよいでしょう。
コストパフォーマンスで選ぶ
エンジンオイルを選ぶ際は、コストパフォーマンスで選ぶのもよいでしょう。
高価なオイルを選んでオイル交換サイクルが伸びてしまうよりも、適度な価格のオイルを選んでこまめにオイル交換をしたほうが、エンジン保護の観点からもおすすめです。
予算を考えながら、買い続けられるオイルを選ぶようにしましょう。
使用方法で選ぶ(サーキット走行など)
エンジンオイルを選ぶ際は、使用方法も加味するようにしましょう。
通常のツーリング走行をする人は、適正オイル粘度を通常サイクルで交換すれば問題はありません。
サーキット走行など特殊な使い方をする人は、せん断に強く保護機能に長けたオイルを選ぶようにしたり、サーキット走行後はオイル交換をする必要があります。
使用方法によって、エンジンオイルを選ぶようにしましょう。
化学合成油のエンジンオイルは旧車の空冷エンジン搭載車にもおすすめできるオイル
化学合成油のエンジンオイルは旧車の空冷エンジン搭載車にもおすすめできるオイルです。
化学合成油のエンジンオイルは、長年旧車などには合わない、使用できないとされてきました。
旧車=鉱物油はおすすめというのが従来の考え方でしたが、オイルのクオリティが年々上がってきて、旧車にもぜひ化学合成油を、という時代になってきています。
ワイズギアのヤマルーブのようにゴム製シールやガスケットに影響のある素材が使われていない化学合成油であれば、旧車にも安心して使用することができます。(参考:ワイズギアオイル担当者への質問&疑問)
おすすめの4ストバイク用エンジンオイル7選
4スト用バイクのおすすめエンジンオイルを7つご紹介します。
厳選した7種類やで
どれも人気で定評のあるオイルだね!
ホンダ ウルトラG2
ウルトラG2スポーツはホンダの純正オイルです。ストリート走行からサーキット走行まで、いろいろな走行をする人にもおすすめできるオイルです。
- 部分合成油
- 10W-40
- JASO:MA
- API :SL
カストロール Power1 4T
カストロールのPower1 4Tは、加速性能を強化したオイルで、街乗りから高速走行まで力強い走りをサポートしてくれます。
- 部分合成油
- 10W-40
- JASO:MA2
カワサキ エルフVentVert冴速10w-40
カワサキのエルフVentVert冴速10W-40は、カワサキとエルフがコラボした高スペックオイルです。高温高せん断粘度が高いため、高温高負荷時のエンジン保護性能が高いのが特徴です。
- 全化学合成油
- 10W-40
- JASO:MA2
- API:SL
ヤマハ YAMALUBE プレミアムシンセティック
ヤマハのYAMALIBEプレミアムシンセティックは、100%化学合成油で高温や高負荷に強いハイグレードエンジンオイルです。
- 化学合成油
- 10W-40
- JASO:MA2
MOTUL 7100 4T 10w-40
MOTULの71004T10W-40は、オンロード、オフロード問わずおすすめできるハイグレードオイルです。スポーツ走行などの厳しい条件でも十分な性能を発揮できます。
- 100%化学合成油
- 10W-40
- JASO:MA2
- API:SP
アッシュオイル PSE
アッシュオイルのPSEは、油膜の安定性とロングライフにこだわり、ポリマーを一切使用していない高性能エンジンオイルです。
- 部分エステル合成油
- 10W-40
スズキ ECSTAR R9000
スズキのECSTARは、低温での優れた流動性と高温化での油膜確保を意識して作られたスズキのプレミアムエンジンオイルです。
- 化学合成油
- 10W-40
- JASO:MA2
まとめ:愛車に合ったエンジンオイルを選んでしっかりとオイルメンテナンスをしよう!
エンジンオイルにはいろいろな種類があることがわかりました。
エンジンオイル交換はバイクのメンテナンスの中でも最も頻度が高い重要なメンテナンス項目です。
愛車に合ったエンジンオイルを選んで、しっかりとオイルメンテナンスをし、素敵なライダー生活をおくりましょう。