ライダーにとっては心地の良い音だけど、乗らない人にとってはうるさいと思われてしまうことが多いんだよね
今回この記事では、「バイクの音がうるさい」といわれないために気を付けたいことをご紹介します。
自分のバイクの音が少しでもうるさいかな?とお悩みの方はぜひ最後まで読んでくださいね。
ライダーのご近所トラブルは騒音関係が多い
ライダーに多い近隣トラブルは騒音関係です。バイクに乗る人にとって「心地よい音」とされるバイク音ですが、バイクに乗らない人には「うるさい」と感じる人も多く、その感覚の違いからトラブルに発展するケースが多くあります。
実際に、苦情では済まず、
- 「バイクの騒音がうるさかった」と、17歳の少年が34歳男性に胸を刺される/2018年
- 「マフラー音がうるさかった」と、バイクで走行中の男性が30代と20代の男性に頭を棒で殴打される/2020年
バイクの騒音が原因でこのような傷害事件も起こっています。
バイクがうるさい原因はほとんどがマフラー
バイクがうるさい原因は、マフラーに問題があるケースが多いといわれています。
一概にマフラーが原因といっても、
- マフラーが劣化して亀裂が入っている、穴が空いている
- 純正ではない社外品マフラーを装着している
- 段差や悪路走行の振動でマフラーの取り付けボルトがゆるんでいる
など、色々な推定原因があります。
マフラーが劣化して亀裂が入っている、穴が空いている
マフラーが劣化して亀裂が入っていたり、穴が空いていると、排気漏れの大きい音がします。よくあるのが「排気音がうるさく、点検してみたところ経年劣化によるサビで穴があいて排気漏れを起こしていた。」というようなケースです。長年使用していると、純正のマフラーを装着していても、経年による劣化で排気漏れを起こすことがあります。また、海沿いなどの塩害を受けやすい地域だと、サビが発生するリスクが高まるため、マフラーが排気漏れを起こす可能性が高くなります。
純正ではない社外品マフラーを装着している
純正ではない、社外品マフラーといわれる商品の中には、排気音が大きくなるよう意図的に設計されているものが多く販売されています。
新車から乗っていても、「よくわからないマフラーを装着した」場合や、「排気音が良いマフラーに交換した」場合は、どのぐらいの音量なのかをチェックしておくようにしましょう。
また、中古バイクを購入して、購入当初から排気音がうるさいと感じる場合は、どのようなマフラーが装着されているかを確認するようにしましょう。中古バイクの場合は、前オーナーがカスタムをしたままの状態で売られている場合がほとんどなので、マフラーが変えられているケースが多くあります。
段差や悪路走行の振動でマフラーの取り付けボルトが緩んでいる
少し前からマフラーの音がうるさいと感じる人は、段差や悪路を走行した時の振動でマフラーの取り付けボルトがゆるんでいる可能性があります。マフラーの取り付けボルトが緩んで排気漏れを起こすと、うるさく感じる原因になります。普段から段差が多い悪路を走っている人や、数ヶ月前にマフラーを交換した人は特にチェックしたほうがいいでしょう。
マフラー以外の部分が音を出している場合もある
「バイクの音がうるさい」原因はマフラーが多いといわれていますが、マフラー以外の部分が音をだしている場合もあります。
例えば「バイクからガラガラ音がしてうるさい」場合はエンジンオイルが足りていなかったりエンジンオイルが劣化または汚れてうまく潤滑されていない可能性があります。
「バイクからカチカチ音がうるさい」場合は、エンジンの内部故障の可能性がありますし、「クラッチの周辺から音がしてうるさい」場合は、クラッチが故障している可能性があります。
音の種類や聞こえる箇所によって音の発生源、故障箇所などは違うため、うるさいなと感じたらどこからどのような音がしているのか、一度確認するようにしましょう。
バイクの騒音規制は?
バイクの騒音規制は厳しく定められており、違反した場合は点数と罰金の対象になります。(参考:警視庁ホームページ)
排気音が規定値よりも大きい場合は、整備不良車として違反と罰金の対象になり、違反点数2点、反則金7,000円(二輪)、6,000円(原付)が科せられます。
バイクの騒音規制値は、近接騒音測定という方法で測定されますが、車種ごとに基準が決められているため、所有しているバイクのメーカーホームページなどで確認をしてみましょう。
また、サイレンサーを加工したり取り外している場合は消音器不備違反の対象となるため違反点数2点、反則金6,000円(二輪)、5,000円(原付)が科せられます。
さらに正当な理由のない空ぶかしや加速などで騒音を発した場合は騒音運転等違反の対象となり、違反点数2点、反則金6,000円(二輪)、5,000円(原付)が科せられます。
純正マフラー以外で認められているマフラーは、識別番号の末尾に「A」が記載されていますので、JMCA(全国二輪車用品連合会認定)マークや、E(国連欧州経済委員会規制適合品)マークのついたマフラーを選ぶようにしましょう。
ライダーが心得ておきたいご近所への配慮
近隣トラブルを防ぐためには、ご近所への配慮が必要です。ここではライダーが心得ておきたいご近所への配慮をご紹介します。
いろんな生活スタイルの人が住んでいることを忘れない
「周りにはいろいろな生活スタイルの人が住んでいる」ということを忘れないようにしましょう。
- 夜勤の人
- 不定休の人
- 出勤時間が日によって違う人
- 在宅勤務の人
- 病気の人
- まだお子さんが小さい人
- 高齢の人
- 介護をしている人
など、書ききれない程、人によって生活スタイルや抱えている事情は違います。
朝、バイクの音で起こされるのが困る人もいれば、昼や夜にバイクの音で起こされるのが困る人もいます。病気や仕事の寝不足で音に敏感になっている人もいれば、まだお子さんが小さく寝かしつけたばかりの子供がバイクの音で起きてしまい困る人もいます。
音を全く出さないようにするというのは難しいですが「周りにはいろいろな生活スタイルの人が住んでいる」ということを忘れずに、ご近所への配慮を忘れないようにしましょう。
近所に住宅が多いようであれば、大きい道路までバイクを押していき、道路沿いでエンジンをかけるようにするだけでも周りの反応は全然違います。相手の立場にたって考えるということを忘れないようにしましょう。
新興住宅街には小さいお子さんがいる家族が多く住んでいる事が多い
新興住宅街には、新しく引っ越してくる人がたくさんいるため、小さいお子さんがいるご家庭が多く住んでいる傾向があります。小さいお子さんはまだ体力が充分ではないため、日中睡眠を多く取ります。特に産まれたばかりの赤ちゃんがいるご家庭だと、子供が2時間おきぐらいのペースで頻繁に起きるので、充分な睡眠が取れていない親御さんが多くいます。また、寝かしつけも大変なので、やっと寝かしつけが出来た…というタイミングにバイクの音で起こされると、悲しくなりますよね。
小さいお子さんがいる家族だけではなく、介護や仕事など、いろいろな事情で寝不足の人はたくさんいます。
せっかく寝られたタイミングで起こされるというのは強いストレスになるため、そこから苦情になり、トラブルになるケースも多くあります。
バイクがうるさいと言われないために行いたい車両側の対策
バイクがうるさいと言われないためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか?
車両側の対策を3つご紹介します。
整備不良箇所が無いかチェックする
バイクがうるさいといわれないために、整備不良箇所が無いか定期的にチェックをするようにしましょう。自分で日常点検を行うことはもちろんですが、整備工場で定期的に点検を受けることで、マフラーにサビで穴があいていないか、あきそうではないか、エンジンやクラッチは大丈夫か、など、自分では気がつけなかった故障を発見してもらえることもあります。
できるだけ純正のマフラーを装着する
バイクがうるさいと言われないためには、できるだけ純正のマフラーを装着するようにしましょう。うるさいと言われるバイクのほとんどは、マフラーを改造していたり、社外品のマフラーに交換をしていることが多く、騒音基準もギリギリな場合があります。
純正のマフラーであれば、そこまで大きな音を発することはありません。
できるだけ、純正のマフラーを装着するようにしましょう。
気になる場合はサイレンサーをつけるのも一つの手段
- 現在社外品のマフラーが装着されていて、マフラーを純正に戻すほど大きな音ではないが、少し気になる…
- マフラーの音は気に入っているので変えたくはないが、近所の目もあるため少し音を抑えたい…
このような場合はサイレンサーやバッフルを装着するのも一つの手段です。マフラーのテールエンドに装着する部品で、手軽に後付をすることができます。
しかし、脱着式のバッフルだと車検には通りません。長くバッフルをつけておくのであれば、リベット留めや溶接など簡単には取り外しが出来ないような取り付け方にするとよいでしょう。
バイクがうるさいと言われないために行いたいご近所トラブル対策
バイクがうるさいと言われないために、わたしたちができることはあるのでしょうか?
ご近所トラブル対策として日頃からできる行いを2つご紹介します。
適度に近所付き合いをする
近隣トラブルを防ぐためにも、近所付き合いは適度にするようにしましょう。深く関わる必要はとくにありませんが、挨拶をしたり、自治会に入ったり、地域のイベントに顔を出したりして、人を遮断するような行動はできるだけ避けたほうが良いでしょう。
- 全く関わったことのない人
- 挨拶もしてくれないような人
など、印象が悪いと余計に話がこじれやすい場合があります。最低限ご近所への挨拶はするようにしましょう。
道路に出るまでエンジンをかけずに車両をひいて行く
バイクがおいてある場所が住宅街の場合は、近隣トラブルを防ぐためにも、道路に出るまでエンジンをかけずに車両をひいていくなどの配慮を忘れないようにしましょう。
家の前でエンジンをかけるのと、道路まで車両をひいて道路付近でエンジンをかけるのとでは、音を受ける側(近隣の方)の聞こえ方が全然違います。特に住宅街は、家の並び方によっては音がこもる傾向があるため、少し離れたところでエンジンをかけるようにしましょう。
もしご近所にうるさいと言われてしまったら
対策をして気を付けていたけれど、ご近所に「バイクがうるさい」と言われてしまったら、どうすればよいのでしょうか?
素直に謝る
空ぶかしをしていた、マフラーを社外品に交換して住宅の前でエンジンをかけた、などこちらに否がある場合はすぐに謝りましょう。また、思い当たる節が少しでもあるようであれば、素直に謝るようにしましょう。
先述したとおり、周りにはいろいろな生活スタイルの人が住んでいます。素直に謝罪をしたうえで、今後どのようにすればいいのか、向こうはこちらのどのような行動に困っているのかなどを、話し合えるとなお良いでしょう。直接話すとトラブルになりそうな場合は、自治会長などの第三者に相談するのも一つの手段です。
整備不良箇所がないかチェックする
まずは整備不良箇所がないかチェックしましょう。先述したとおり、排気漏れなどを起こしている可能性もあります。自分で点検をして分からない場合は、バイク修理屋に持っていき点検してもらうようにしましょう。
警察に相談する
しっかりと対策をして家の近所ではエンジンを一切かけていないのにうるさいと言われたり、バイクに全然乗っていないのに所有しているだけで怒られたり、理不尽な言いがかりを付けられたりするなど、こちらに非がないのにもかかわらず難癖を付けてくる場合や、話が通じないような場合は、一度警察に相談してみましょう。話が通じない相手の場合は、直接話し合うのは、話がこじれる可能性が高いため、一対一で話すのではなく、警察や弁護士など、第三者を交えた話し合いをするようにしましょう。
あなたの行動一つでライダー全体の品位を上げることも下げることも出来る
あなたの行動ひとつで、ライダー全体の品位が変わります。
近所にバイクに乗っている人がいないようであれば、その地域の人にとってはあなたが「ライダーの代表」です。
- 「バイクに乗る人は、いい人が多いんだな。素敵だな。」
- 「バイクに乗る人は、周りに対する思いやりがないのね。」
どちらの印象を与えるかは、あなたの行動ひとつにかかっています。
ごく一部の騒音トラブルを起こすライダーのことが取り上げられがちで、バイク乗りはマナーは悪いと思われているのが現状です。
実際にはマナーが悪い人はごく一部で、ほとんどが優良ライダーなのにも関わらず、世間からこのような印象を持たれているのは悲しいですよね。
「相手からみたら自分がバイク乗りの代表なんだ」という意識を忘れず、日々誠実な対応をして、みんなでバイク乗り全体のマナー向上に努めましょう。
まとめ:しっかりと対策をして快適なライダー生活をおくろう
しっかりと対策をして、うるさいと言われる主な原因を理解していれば、トラブルは未然に防ぐことができます。苦情を言われたとしても、その際にしっかりと誠実に対応をすれば、大きなトラブルになることはありません。
日頃から、周りに配慮した行動をすることで「バイクうるさい」と言われない快適なライダー生活をおくりましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。